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2014.06.27 お知らせ

平成26年度「JOCオリンピック教室」がスタート

平成26年度「JOCオリンピック教室」がスタート
平成26年度第1回目となる「JOCオリンピック教室」が行われた(写真:アフロスポーツ)

 日本オリンピック委員会(JOC)は5日、平成26年度第1回目となる「JOCオリンピック教室」を横浜市の横浜国立大学教育人間科学部附属横浜中学校で実施しました。

「JOCオリンピック教室」は、オリンピアン(オリンピック出場経験アスリート)が教師役となり、自身の様々な経験を通して“オリンピックの価値”などを生徒たちに伝え、「この価値はオリンピアンだけのものではなく、多くの人々が共有し、日常生活にも活かすことができるものである」ことを学習してもらうものです。平成24年度からの学習指導要領の改訂で、中学3年生の保健体育(体育理論)の学習内容に「オリンピック」が明示されたのを受け、次年度の学習に向けた事前啓発の意味も込めて、中学2年生を対象に、「運動の時間(体育館)」と「座学の時間(教室)」の2コマ構成で行っています。

平成26年度「JOCオリンピック教室」がスタート
出島さんの馬跳びのプログラムに子供たちは意欲的に取り組む(写真:アフロスポーツ)

 この日の講師を務めたオリンピアンは、バンクーバーオリンピックのスピードスケート男子5000mとチームパシュートに出場しチームパシュートで8位に入賞した出島茂幸さんと、ロンドンオリンピックの柔道女子48kg級で5位に入賞した福見友子さんの2人。過去にも講師の経験がある出島さんが2クラス、この日が初めての講師となる福見さんが1クラスを受け持ちました。

 授業はいずれも運動の時間からスタート。準備体操につづき出島さんは自身で考えた馬跳びのプログラムを実施しました。各チーム思い思いの作戦で臨む中、うまく跳べない生徒もちらほら。1回戦終了後、出島さんから「みんなは馬になったときに跳ぶ人のことを考えていましたか?」と問われると、生徒たちは神妙な面持ちで自分を振り返っていました。2回戦は、各チームが跳ぶ人に合わせて馬の高さを調整するなど工夫を見せてスムーズに。仲間と協力して助け合うことを目的としたこの授業の大切さを実感したようでした。

平成26年度「JOCオリンピック教室」がスタート
出島さんの問いかけで、生徒たちは授業の最後に今年の学芸祭でチャレンジしたいことをそれぞれ発表(写真:アフロスポーツ)

 その後行われた座学の時間では、自分の経験をもとに「エクセレンス(卓越性)」、「フレンドシップ(友情)」、「リスペクト(敬意)」という3つの「オリンピックバリュー」を説明。出島さんはその中から「エクセレンス(卓越性)」を取り上げ、「目標に向かってベストを尽くして一生懸命がんばることがこの言葉に入っています。普段のみんなの生活の中にあるエクセレンスを考えてみよう」と発問し、生徒たちは授業の最後に今年の学芸祭でチャレンジしたいことをそれぞれ発表しました。

平成26年度「JOCオリンピック教室」がスタート
クラス全員での一斉立ちにも挑戦(写真:アフロスポーツ)

 午後の授業を受け持った福見さんは運動の時間で「体つくり運動」を基本としたプログラムを行いました。2人1組でのストレッチに続き、柔道の要素を取り入れた準備体操を実施。そして、手押し相撲や、膝タッチのあと、自身が競技で使用した黒帯を持ちながら2人ずつ一緒に走るリレーをチーム戦で行いました。それが終わると今度はチームが背中を向けて円になって座り、お互いを支え合いながら一斉立ち。複数人でお互いの息を合わせることが求められるメニューで、コミュニケーションを取りながら、相手を信頼することを学びました。授業の最後には、クラス全員での一斉立ちにも挑戦。この時間の目的である、仲間と協力して助け合いながら、運動の楽しさを知ることを確認しました。
 その後の座学の時間では、北京オリンピックの代表から漏れたときのエピソードを披露。福見さんは、「自分の中で足りないものがあると思い、自分と向き合って、柔道と向き合いました。その中で相手に勝つよりも自分の心をいかに強くするか、いかに技術を高めていくか、いかに試合でベストを尽くすか、日々の中で自分に打ち勝つことができるか、そういうことを考えるようになりました」とオリンピックバリューの「エクセレンス(卓越性)」の大切さを自身の体験を通して伝えました。

平成26年度「JOCオリンピック教室」がスタート
初めて講師を務めた福見さん(写真:アフロスポーツ)

 生徒自身がオリンピックの価値を考えるグループワークでは、「学芸祭で賞を取るためにどのような努力をするか」という視点で具体的な方法を挙げたり、「楽しむことも大事」といった意見を出し合うなどグループ毎に活発な議論が行われ、先生たちも感心した様子。
 授業を受けた生徒からは「印象に残ったのはエクセレンスの部分。スポーツの価値、オリンピックの価値を聞いて、結果だけじゃないことを知って関心がわきました」という声や、「一番共感できるのはフレンドシップ。日常でみんなと学習したり運動したりするときにすぐに感じられることなので」、「大事だと思ったのは相手を敵だと思わないでリスペクトすること」といった感想が聞かれ、オリンピックバリューが彼らの心に響いていることがうかがえました。

 今回が初めての講師となった福見さんは、「勉強になりますし、こういう機会はあまりないので、すごくいい時間だなと感じました。話がちゃんと伝わっているかどうか不安だったのですが、発表のときに生徒さんそれぞれがすごくいいことを言ってくれたので、『あ、伝わっているんだ』と実感できました」とすっきりした表情を見せました。

「JOCオリンピック教室」は今後も引き続き行われ、今年度は15校50クラス程度を実施する予定となっています。

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