OLYMPIAN2017

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38いう場所だと感じていますか。須﨑　リオデジャネイロで実際に見て、夢と感動と希望をもらえるすごい場所だと思いました。同時に、「次は私がこの舞台で金メダルを取りたい」と思いました。——今後の目標を教えてください。須﨑　５月のアジア選手権は日本代表として自覚を持ち、優勝したいです（編注・48 kg級で優勝）。６月の明治杯（全日本選抜選手権）で勝って８月の世界選手権で優勝することが近い未来の目標です。大目標は、やはり東京オリンピックで金メダルを獲得することです。——同じ階級にリオデジャネイロオリンピック金メダリストの登坂絵莉選手がいますね。須﨑　一番尊敬している選手で、一番倒したい選手です。オリンピックチャンピオンがどんな努力をしているのか、一緒に生活し、練習をさせていただく中で、見て感じてそれを真似して吸収しようと思っています。私は明治杯と全日本選手権で優勝したのですが、当時登坂選手はケガで出ていなくて。登坂選手を直接倒して、真のチャンピオンになりたいと思います。スイーツ好きの若き女王——須﨑選手のレスリング人生は絶対女王といえるような素晴らしい戦績です。須﨑　２０１５年12月に初めてシニアの全日本選手権に出場し、決勝戦で年上の選手に負けてしまいました。小学６年以来の敗戦だったのですごく悔しくて。筋力も足りないし気持ちも足りない。「強くなって次こそ勝ってやろう」と思いました。今でもあの負けはすごく悔しいですし、あんな想いを二度としたくないから、今頑張れるんだと思います。——レスリングの面白さや難しさとは。須﨑　対人競技なので駆け引きもあるし、相手が違ったら同じタックルが決まらなかったりもするので、いろいろ考えてそれができたときはすごく達成感があって楽しいです。相手も研究してくると思いますが、それでも勝てるのがチャンピオンだと思うので。——エリートアカデミーに入るきっかけは。須﨑　松戸ジュニアレスリングクラブの監督からお話をいただき、強くなっていくためには厳しい環境が必要だと感じてアカデミーに入る決意をしました。練習面では練習量も増えて、ついていくことに必死ですごくきつかったですし、生活面でも全て自分で洗濯物を干したり畳んだりしなくてはいけなくて、初めてだったので母のありがたみをすごく感じました（笑）。——学校生活はいかがですか。須﨑　中学では勉強が難しくてもおろそかにしてはいけないと、しっかりやっていました。エリートアカデミーのレスリングの同級生３人の中では私の成績が一番です（笑）。高校に入ってからは、先生方もすごく優しくて、合宿などで授業に行けない分、プリントをつくってくださったり、分かりやすく教えてくださったりして本当にありがたいです。——普段、ご両親とお話はしますか。須﨑　競技の面で悩んだときや減量で苦労しているときなどは、父と相談したりします。——減量は大変ですか。　須﨑　７日で５kg落としたりしますから、食事制限はきついです。ただ、減量中は試合のことに集中できますし、試合では軽くなってすごく動きやすいです。48 kg級でやっていくと決めたので、やるしかないです。——エリートアカデミーで楽しいことは。須﨑　コーチが焼肉やお寿司にたまに連れて行ってくださるのが、すごく楽しいです。——やはり食べるのが好きなんですね（笑）。須﨑　おいしい物を検索して食べに行ったり。スイーツ……特に抹茶が好きです（笑）。東京で真の女王に——昨年はリオデジャネイロオリンピックがあり、女子レスリングは大活躍でした。須﨑　はい。現地で見ました。やはり本当にすごくて、感動して、勇気ももらいました。——リオデジャネイロでは、吉田沙保里選手が負けるシーンもありましたね。須﨑　ずっと絶対女王として戦ってきたので、ヘレン・マルーリス選手が勝ったのは衝撃でした。吉田選手にプレッシャーが掛かっていて、その重圧もあったんだなと思いました。——須﨑選手にとって、オリンピックはどう須﨑 優衣（すさき・ゆい）1999年6月30日生まれ。千葉県出身。父の影響でレスリングを始める。小学3年で全国少年少女選手権優勝。2012年から14年まで、全国中学生選手権、全国中学選抜選手権をともに3連覇。12年を皮切りにジュニアクイーンズカップ6連覇。13年からジュニアオリンピック4連覇、14年から世界カデット選手権3連覇。16年全日本選手権女子48kg級で初優勝。安部学院高校3年。JOCエリートアカデミー所属。2016年レスリング全日本選手権女子48kg級で初優勝を飾り、今注目を集めているJOCエリートアカデミー所属の須﨑優衣選手。虎視眈々と東京オリンピックの金メダルを狙う弱冠17歳の若きヒロインの思いを聞いた。オリンピックチャンピオンへの道須﨑優衣Yui SusakiRoad to Tokyo 2020Photo／Sho Tamura/AFLO SPORTText／中村 聡宏