OLYMPIAN2017
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22地元の声援が後押しに——平昌オリンピック出場決定と札幌アジア大会の金メダル獲得、おめでとうございます。アジア大会はチームとしてどのようなモチベーションで臨んだのでしょうか。大澤 ありがとうございます。オリンピック予選に勝って出場権を獲得すること、アジア大会で金メダルを取ること、4月の世界選手権で優勝してトップディビジョン昇格を決めること。これを今シーズンの目標として掲げていました。その目標達成のためにやるべきことをやるということがモチベーションにつながったと思います。——見つけた課題はありますか。大澤 自分たちのやりたいことができる時間帯はいいのですが、リズムをつかみきれないときに相手に点数を与えてしまうと、そこから崩れていってしまうことが多いので、プレーの波をなくすことが大事だと思っています。——オリンピック予選、札幌アジア大会ともに地元・北海道での開催でした。地元の方の応援はどのような力になりましたか。大澤 どんな雰囲気のときでも声援がすごく聞こえてくるので、プレー中、後押しになりました。ソチでの悔しさをバネに——初出場だった前回のソチオリンピック。想像していたオリンピックと違いはありましたか。大澤 日本では、私たち女子の試合はお客さんがほとんど入らないことが多いんです。でも、オリンピックの試合では、大勢の人の前で試合ができるので、すごく気持ちが良かったのを覚えています。——ソチオリンピックでの結果を振り返るといかがでしょうか。大澤 技術、フィジカル含め、全ての部分で足りなかったと思います。長けていた部分は一つもなかった。ですが、勝てなかったオリンピックがあるからこそ、今、努力できているんだと思います。——では、ソチオリンピックからの4年間で、良かったことや苦労したことなどはありますか。大澤 成長したのは世界と戦える力がついたところです。ソチのときはフィジカル面でも技術面でも勝るところがなかったと思いますが、今は対等に戦える自信もありますし、戦える力がついてきたと思います。——ソチオリンピックの前後で大澤選手ご自身が変わったところはありますか。大澤 ソチでもチームの主将をやらせてもらいましたが、当時は年齢的にも若く、自分のことだけで精いっぱいでした。でも、今回は自分がチームにとってどういう存在なのかをきちんと理解し、チームのためにどのようなプレーをするべきなのかというのを考えられるようになりました。みんなに信頼されるキャプテンになりたいと思っています。——現時点での平昌オリンピックの目標は。大澤 まずはソチでできなかった「勝つ」ということが一番の目標。同時にメダル獲得も目指したいという思いもあります。ソチのときはチャレンジでしたが、今回はリベンジの場。支えてくれる人たちに恩返ししたいです。——その目標のために平昌オリンピックまでのプランはどのように考えていますか。大澤 出場している21人全員が「自分が今何をすべきか」ということを考えて、100パーセントそこにフォーカスできればいいと思います。——ソチオリンピックからここまで大澤選手にとってどんな4年間でしたか。大澤 ソチの出場権を獲得したときに一気に注目してもらって、そこから環境がガラリと変わりました。みんながアスナビ(※)を通じていろいろな企業に就職できて、競技に集中できる環境をつくってもらいました。結果を残せば、自分たちの環境を変えることができるんだと実感しています。——最後にアイスホッケーを初めて見る方に向けて、楽しむポイントを教えてください。大澤 他のスポーツにはないスピードと迫力ですね。パックや選手の動くスピードはもちろん、パックを持っていない選手のスピードもかなり速い。また、パックがフェンスに当たる音や選手同士がぶつかる音など、迫力のある「音」も楽しんでもらいたいです。※JOCが行っているトップアスリートの就職支援ナビゲーション大澤 ちほ(おおさわ・ちほ)1992年2月10日生まれ。北海道出身。6歳からアイスホッケーを始める。2008年、高校生ながらバンクーバーオリンピック予選で日本代表入り。14年ソチオリンピックではチームの主将を務める。17年2月のオリンピック最終予選で平昌オリンピックの出場権を獲得。同月札幌アジア大会で金メダルを獲得した。(株)ダイナックス所属。Athlete‘s Voice2017 SAPPORO ASIAN WINTER GAMESText/編集部平昌で悲願の勝利を目指す大澤 ちほアイスホッケーChiho OsawaPhoto/PHOTO KISHIMOTOPhoto/PHOTO KISHIMOTO

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