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2017.03.09 キャリア支援

「企業人」として成長するために 「第1回アスナビ選手研修会」を開催

「企業人」として成長するために 「第1回アスナビ選手研修会」を開催
初の試みとして行った第1回の研修会には夏季競技の選手34名が参加した

 日本オリンピック委員会(JOC)は2月24日、味の素ナショナルトレーニングセンターで「第1回アスナビ選手研修会」を開催しました。アスナビを通じて採用されたトップアスリートを対象にした研修会は今回が初めてで、今回は2017年度の新卒採用選手13名を含む、夏季競技の選手34名が参加。「『企業人』として成長するためには」というテーマのもと、グループワークを中心としたプログラムを通じて、企業の一員として自身に求められる役割を果たすために何が必要かを考える場となりました。

「企業人」として成長するために 「第1回アスナビ選手研修会」を開催
アスナビ採用選手の「先輩」である上田春佳さんが、自身の経験をもとにアドバイス

■オリンピックメダリストの先輩に学ぶ

 1つ目のプログラムは、アスナビを通じて2011年4月にキッコーマン株式会社に入社し、ロンドンオリンピック競泳女子4×100mメドレーリレーで銅メダルを獲得した上田春佳さんによる「アスナビ先輩講話」。同社のコーポレートコミュニケーション部に所属し、ロンドンオリンピック後に現役を引退した上田さんは、結婚と出産を経て現在育児休暇を取得中です。アスナビ初期の採用選手として、企業とともに手探りで活動をしていく中でどのような試みをしていたか、どのような心境で競技に取り組んでいたか、今後どのような活動をしていきたいかなど、アスナビ採用選手の先輩として事例を紹介しました。

 講話の中で上田さんが特に強調していたのは「とにかく結果を出す」こと。入社直後の日本選手権で日本新記録をマークし、応援に来てくれた社員の皆さんが非常に盛り上がってくれたというエピソードを紹介した上田さんは「実は体調を崩して思うような調整ができていなかったのですが、社会人一発目のレースはどうしても結果を出したかった。自分のことをまだよく知らない社員の方々がとても盛り上がっているの見て、このレースはすごく大事だったんだとあらためて思いました」と振り返りました。

 さらに上田さんは、1人でも多くの社員から応援をしてもらうために「笑顔であいさつをして、同僚に積極的に声をかけるようにしましょう」とアドバイス。全国に支店がある会社の場合は遠征の際に近くの支店に行って交流する機会を作るなど、自分から発信し行動していくことが大切だと訴えました。また、セカンドキャリアを見据え「引退したら自分には何ができるのか、何をやっていきたいのかというイメージをして、思っていることを会社に伝えておいた方がいい」と助言を送りました。

■「業務」と「職務」の違いとは

 続いてJOCの八田茂キャリアアカデミー事業ディレクターが、ワークショップの前段として「業務(職場で与えられた仕事)」と「職務(アスリート社員としての仕事)」の違いを説明。アスナビで採用された選手は企業の一体感の醸成や士気高揚、イメージアップに貢献することが期待されており、それが職務であると語った八田ディレクターは「例えば週に一度出社をした際に実施する業務には限界がありますが、職務はやろうと思えばいろいろなことができます。是非それををやっていってほしい」と呼びかけました。

「企業人」として成長するために 「第1回アスナビ選手研修会」を開催
付箋に書いた「不安な感情」をグルーピングする新卒入社予定の選手たち

■「不安の明確化」で入社後の自分をイメージ

 この後選手たちは4月に入社予定の新卒者と、すでに入社をして企業で働いている既卒者に分かれてワークショップを実施。新卒者のグループでは、まず1枚の紙に自分の名前、所属競技団体名、入社予定の企業名、その企業の代表取締役の名前の4つを正確に書くという課題が出され、社会人になるにあたり最も重要な常識をおさらい。その紙を使って自己紹介した後、入社を目前に控えたいま感じているネガティブな感情を付箋に1つ1つ書き出し、似た感情をグルーピングしながらお互いの心境を共有しました。このワークの目的は「不安の明確化」。ファシリテーターを務めたJOCの所由紀キャリアアカデミー事業アシスタントディレクターは「漠然と不安を抱えるのではなく、その正体をはっきりさせることで対処の仕方も見えてきます。これは競技でも同じ。是非ポジティブなことも語り合ってみてください」と提案しました。

「企業人」として成長するために 「第1回アスナビ選手研修会」を開催
既卒の選手は自身の業務を見つめなおして仲間に共有

■所属企業で抱える課題と解決策を共有

 一方、6つの班に分かれた既卒者のグループでは、所属企業の概要、採用された目的、業務と職務についてそれぞれ具体的な内容と今どれくらいできているか、できていない理由は何かについて、ワークシートに記入する個人ワークからスタート。自己紹介を兼ねて記入した内容をメンバーに共有し、各班についたアスナビスタッフがそれを発表しました。
 後半では、新卒者も既卒者のグループに加わり、業務と職務に対して現在できていないことへの解決策を考えてワークシートに記入。各班から発表された解決策は、今すぐできること、継続してできること、周りに働きかけることの3つに分類してホワイトボードにまとめました。

■ソーシャルメディアとの付き合い方をあらためて考える

 さらにプログラムの中ではSNSの取り扱い方に対するレクチャーコーナーも設けられ、所アシスタントディレクターが「トップアスリートの一員としてどうのようにソーシャルメディアと付き合うか」を解説しました。所アシスタントディレクターは、SNSは自らの価値を高めるツールである一方でアスリートを取り巻くリスクの1つでもあり、アスリートや著名人のスキャンダルをネタに稼ごうとする人たちから常に狙われていると警告。今からできる対策として、過去の投稿を徹底的に整理すること、なりすましの徹底排除、アカウントの乗っ取り対策を万全にすることを挙げるとともに、間違ったタイミングで投稿してしまわないために、スマートフォンを操作する頻度の高い親指(人差し指)に気をつけることが重要と訴えました。

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