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2017.03.08 キャリア支援

「第4回アスナビ採用企業 情報交換会〜ビーチバレーボール編〜」を開催

「第4回アスナビ採用企業 情報交換会〜ビーチバレーボール編〜」を開催
ビーチバレー選手を採用した企業から7社の採用担当者が集まった(写真:アフロスポーツ)

 公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)は1月25日、味の素ナショナルトレーニングセンターで、「第4回 アスナビ採用企業 情報交換会〜ビーチバレーボール編〜」を開催しました。

 アスナビは、オリンピック・パラリンピックや世界選手権などを目指すトップアスリートの生活環境を安定させ、競技活動に専念できる環境を整えるために、企業の就職支援を呼びかける活動。2010年から各地域の経済団体、教育関係機関に向けて本活動の説明会を行い、来春入社予定選手を含めこれまでに101社/団体145名(2017年3月1日時点)の採用が決まりました。

 今回の情報交換会では、日本バレーボール協会のビーチバレー事業本部から2名と、ビーチバレー選手を採用した企業から7社10名が参加し、「企業同士の連携を深め、選手活用と競技盛り上げのための方策を考える」をテーマにそれぞれ情報を交換、交流しました。

■横のつながりを持つためのコミュニケーション

 はじめに主催者を代表して、八田茂JOCキャリアアカデミー事業ディレクターが挨拶し、「早いものでアスナビの活動開始から6年半ほどとなり、今春入社の選手も含めて100社150名近い選手を採用いただきました。ありがたいことに東京2020大会に向かう中で企業からの問い合わせは増えていますが、ただ採用いただくだけでなく入社をしてからが正念場。1人1人の成功事例を作っていかないといけないという意味でも、同じ種目の採用企業が、競技団体とより深くコミュニケーションしていただく機会を広めたいと考えています。ビーチバレーの採用企業同士、今日をきっかけに何かアクションプランを作っていただけるような会になればと思います」と述べました。

「第4回アスナビ採用企業 情報交換会〜ビーチバレーボール編〜」を開催
競技の現状を説明する日本バレーボール協会ビーチバレーボール事業本部の桐原勇人副本部長(写真:アフロスポーツ)

■東京2020大会に向けたビーチバレーの取り組み

 続いて、日本バレーボール協会(JVA)業務執行理事で、ビーチバレーボール事業本部の桐原勇人副本部長が、競技団体による現状紹介を行いました。
 桐原副本部長は事業本部の主な活動として、東京2020大会でのメダル獲得、国民体育大会を含む国内での基盤整備、国際バレーボール連盟(FIVB)やアジアバレーボール連盟(AVC)主催の国際大会開催、競技の普及・発展に向けた「2050年構想」の策定といったキーワードを元に概要を説明。東京2020大会に向けては強化委員会の再編、国際大会参加基準の整備、有望選手の強化といった取り組みを行っているほか、全国への競技普及や若年層のアプローチを目的とした国内の競技環境整備も進めていると明かしました。

「第4回アスナビ採用企業 情報交換会〜ビーチバレーボール編〜」を開催
活用事例を紹介するクロス・ヘッド株式会社の細谷健司人事総務部長(写真:アフロスポーツ)

■各企業が選手の活用事例を共有

 次に、採用企業を代表してクロス・ヘッド株式会社の細谷健司管理本部人事総務部長が、昨年4月に入社した鈴木千代選手の活用事例を紹介しました。
 ITを活用したさまざまなサービスやインフラを提供している同社は今年で創業25周年。細谷部長が目にしたアスナビの記事をきっかけに鈴木選手の採用に至り、アスナビ100人目の内定者として複数のメディアに取り上げられました。

 細谷部長は鈴木選手を採用した理由について、所属選手を応援することで職場の一体感向上、従業員1人1人や部署全体の意欲向上に寄与できるという調査結果があったことや、新社長が掲げた「第3の創業」というキーワード、チャレンジする社風の醸成が世界と戦うアスリートと親和性が高かったことなどを挙げました。そして、鈴木選手が出場する試合のチケット代や応援グッズの手配などを会社負担にすること、“応援部活”の立ち上げや親睦会を通じて選手と社員の接点を増やすこと、社内SNSに設けられた本人のブログによる情報発信など、今後の施策を説明。「スポーツを通して会社全体で選手のチャレンジを応援することが、社員1人1人の成長にもつながると考えています。オリンピックに関しては今日お集まりの皆さんとはライバルになりますが、2020年から先も活動は続きますので、皆さんと一緒に応援運動をしていければと思います」と述べました。

 そして、各企業の代表者が事業の概要と合わせ、出社頻度や所属選手にどのようなことを期待しているか、選手活用の工夫や悩みなどを共有しました。

<株式会社ポピンズ>
採用選手:小川将司選手(平成25年11月1日入社)
・同社初のアスリート採用。主な業務は、運営する保育施設における体育、運動指導
・小川選手の採用を皮切りに、現在はボブスレーの本間南選手、トランポリンの岸大貴選手の3名が所属

<社会福祉法人ひまわり福祉会>
採用選手:清水啓輔選手(平成28年10月1日入社)
・板橋区の放課後対策事業「あいキッズ」に携わる。子どもたちにとって憧れの存在になって、選手の人柄を通じて競技に興味を持ってもらいたいと考えている
・社員との連携は手探りな部分が多いため、いろいろな企業の事例を聞いて検討したい

<株式会社フルフィルメント・ホールディングス>
採用選手:畑辺純希選手(平成27年7月1日入社)
※グループ傘下の株式会社ウィンコーポレーションに入社
・流通事業部におけるデスクワークと、広報部門の情報発信が中心。
・アスリートの環境整備とセカンドキャリア支援を行う「ウィンアスリートクラブ」の旗振り役として、スノーボードの桃野慎也選手とともに活動
・競技の普及に向けて、自社が主催でビーチバレーの大会を開催

<株式会社市進ホールディングス>
採用選手:藤井桜子選手(平成27年6月1日入社)
・当初は広報部で補助業務が中心だったが、自らの手で1つの仕事を作り上げることが必要という観点から新規事業推進室に異動
・同社が運営する学童保育施設で、コーディネーショントレーニング(運動能力を高めるためのトレーニング)の企画立案を任せ、アイスホッケーの岩原知美選手とともに取り組んでいる

<株式会社ADI.G>
採用選手:村上斉選手(平成26年2月25日入社)
・広報部門に配属。村上選手の出身地である滋賀県で、体作りの基本や子どもからお年寄りまで健康に役立つ知識を紹介する「アスリート食育セミナー」を開催

■東京2020大会への道 ビーチバレーならではの課題も

 参加者による情報交換の場では、2020年東京オリンピックをはじめとした各種国際大会への出場基準について桐原副本部長より共有があり、オリンピック出場権の獲得条件や男女各1組が保障されている「開催国枠」の選考方法について、参加者から次々と質問が寄せられました。
 また、所属選手とペアを組む相手探しについてどこまでサポートしていくか、というビーチバレーならではの課題も明らかになり、「選手が困っているなら何か手伝いたいが、練習場所やポジションなど、選手側の条件もあるので簡単にはいかない」といった声が聞かれました。

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