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「平成29年度入社選手内定企業交流会」レポート

カテゴリ:就職支援
2016.12.15
「平成29年度入社選手内定企業交流会」レポート
「平成29年度入社選手内定企業交流会」を開催(写真:アフロスポーツ)

 公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)は11月15日、味の素ナショナルトレーニングセンター(味の素トレセン)で、「平成29年度入社選手内定企業交流会」を開催しました。

 JOCが行っているトップアスリートの就職支援ナビゲーション「アスナビ」は活動開始から丸6年が経過。多くの企業のオリンピック・パラリンピック応援意欲にも支えられ、2016年11月15日現在で89社/129名の就職実績を輩出しています。
 今回の交流会は、来春入社選手を内定した企業関係者が集まり、採用予定選手の受け入れを万全にし、採用企業同士のネットワークを作るための情報交換会として開催。採用企業から11社17名が参加しました。

 最初に主催者を代表して、八田茂JOCキャリアアカデミー事業ディレクターが挨拶。JOCが行っているキャリアアカデミー事業やアスナビについての説明の後、「このアスナビは選手が皆さまの会社に入ってから、どうやって企業と選手がwin-winの関係を作っていけるかが勝負だと思っています。今日の会をご縁に横のつながりを作っていただき、すでにアスリートを採用している企業の皆さんから生の声を聞き込んで、情報収集していただければと思います」と、参加者に呼びかけました。


「平成29年度入社選手内定企業交流会」レポート
競泳の平井選手が内定を受けてからここまでの1年を振り返った(写真:アフロスポーツ)

 続いて、アスナビを通じて今年4月に郵船ロジスティクス株式会社に入社した水泳・競泳の平井彬嗣選手が、昨年10月に内定をもらってからこの春に入社するまで、また入社以降の活動や実感などを発表しました。

 平井選手は4月のリオデジャネイロオリンピック選考会に向けた合宿のため会社の内定研修会などに参加できず、入社前は不安を感じていたそうです。しかし、同期入社の社員が平井選手のために会社の研修会とは別の会合を開いてくれたり、一人ひとりのメッセージが入った応援アルバムを贈ってくれたことから「勇気をもらいました。このおかげで不安がなくなり、集中して練習や合宿に取り組めました」と、同期のサポートが大きな助けになったことを振り返りました。また、4月の選考会では1、2を争う規模の大応援団を結成してくれたことにも感謝した平井選手。残念ながらリオ大会の日本代表の座は逃し、一時は引退の危機を感じたそうですが、「会社の多くの方たちに『4年後がある』と言っていただき、その言葉だけで救われました」と、会社や社員の精神的な支えにより、再び来年の世界水泳などを目指して奮起することができたと語りました。
 そして、それらの経験を踏まえ、「選手はいい時もあれば、悪い時の方が多いかもしれませんが、長い目で見守っていただければと思います」と、企業関係者に向けてメッセージを送りました。

 参加企業の関係者によるアスリート採用の経緯、現在の準備状況などを含めた自己紹介の後、久野孝男アスナビチーフプランニングディレクターが「来春の選手入社までに準備して頂く事」として、特に企業から多く寄せられる質問である「出退勤の考え方について(みなし勤務の考え方と出退勤管理)」「費用の支払い基準」「評価について」「肖像権・写真の使用について」などを説明しました。


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郵船ロジスティクス株式会社の杉本人事部課長が平井選手の勤務状況などを紹介(写真:アフロスポーツ)
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株式会社市進ホールディングスの七戸法務部部長はアスリート採用におけるメリットや課題などを挙げた(写真:アフロスポーツ)

 これが終わると、採用企業の選手活用事例紹介として2社が登壇。1社目は先ほどの平井選手を採用した郵船ロジスティクス株式会社の杉本昌幸人事部課長が、昨年10月の内定からここまでの約1年を「我々も色々な経験ができました」と振り返りながら、平井選手の勤務状況や仕事内容、また試合の応援体制を紹介しました。その中で杉本課長は平井選手を採用した成果として「内定者に対してのアピールが大きかった」ことを挙げると、「同期の中にアスリートがいるというのは大きなモチベーションアップにつながりましたし、数年前には自分の会社にトップアスリートがいるなんてことは我々自身も考えられなかったことですから」と、その効果を説明しました。

 続いて2社目は、2015年6月にビーチバレーボールの藤井桜子選手、アイスホッケーの岩原知美選手を採用した株式会社市進ホールディングスの七戸仁法務部部長が、両選手の勤務状況や活用方法を紹介。昨年は一般社員と同じ業務を任せることでも一定の効果はあったが、「1つの仕事をきっちりとやって、それが形に残るとさらにやりがいが生まれるのでは」という思いから、採用2年目の今年は藤井選手、岩原選手を、同社が運営する学童保育施設における運動トレーニング教室の責任者に任命。ここでの運動プログラム開発、企画、教室の運営などすべてを2選手に任せていることを報告しました。
 また、採用から2年が経過して七戸部長が感じた課題の1つが“アスリート採用法人間での連携強化”。「1社でできる会社はそれでいいかもしれませんが、そうでない会社は違う道を模索しながら次のステージが必要ではないか」と訴えました。


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ANAグループはアスリート社員の活動報告が大事であることを強調(写真:アフロスポーツ)

 この2社のほか、数多くのアスリートを採用している全日本空輸株式会社(ANA)グループからも選手活用事例が紹介されました。ここでは特に社内のイントラネット、SNSを通じたアスリート社員の活動報告が大事であると強調。これにより社内での関心が高まるとともにアスリートの挑戦を全社員で共有することができ、応援の熱、一体感がより増した効果などが報告されました。

 最後に、八田ディレクターが参加企業に向けて挙げたキーワードは「選手をお客様扱いしないでいただきたい」ということ。このキーワードを軸に「やや異能な社員を採用いただいたという観点で、いい意味での労務管理をしっかりしていただいて、現場で上長の方がしっかりマネジメントし、社会人選手としての育成に取り組んでいただければと思います」と述べて締めくくりました。





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