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2015.10.02 キャリア支援

JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を初めて単独開催で実施

 JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を初めて単独開催で実施
プレゼンに参加した8選手。後列左から、細田選手、中村選手、鈴木選手、吉田選手、大和田選手、前列左から佐野選手、小野選手、佐藤選手(写真:アフロスポーツ)
 JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を初めて単独開催で実施
福井JOC理事(写真:アフロスポーツ)

 公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)は9月16日、味の素ナショナルトレーニングセンターで、トップアスリートの就職支援ナビゲーション「アスナビ」の説明会を行いました。

 アスナビは、オリンピック・パラリンピックや世界選手権などを目指すトップアスリートの生活環境を安定させ、競技活動に専念できる環境を整えるために、企業の就職支援を呼びかける活動。2010年から各地域の経済団体、教育関係機関に向けて本活動の説明会を行い、これまでに51社/団体73名(2015年9月16日時点)の採用が決まりました。
 今回の説明会は、初のJOC単独での開催となり、21社28名が参加しました。

 開会あいさつに立った福井烈JOC理事は、「今日で32回目のアスナビ説明会となります。これまでは共催という形でやっていましたが、今回は初めてJOC単独で開催させていただきます。アスリートにはインフラだけでなく、経済的な観点からも安心して競技に打ち込む環境が必要不可欠です。皆さまの日々のサポートがトップアスリートの明日を作ります。トップアスリートは周りの皆さんの応援で、勝てなかった相手に勝ったり、記録を塗り替えたりできます。皆さまの応援は大きな力になります。精神的にもトップアスリートを支えていただいて、彼らが目標に向けて努力する姿を一番近くで見ていただければと思います」と支援を訴えました。

 JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を初めて単独開催で実施
大菅小百合さん(写真:アフロスポーツ)

 続いて八田茂JOCキャリアアカデミーディレクターから概要説明があり、雇用形態や給与水準、勤務スケジュール、配属部署、国際大会での社名の使用などの項目が、資料をもとに説明されました(ページ下部参照)。そして、採用企業の事例の紹介映像が流され、上田春佳さん(競泳)、竹下百合子選手(カヌー)を採用したキッコーマン株式会社、小西あかね選手(アイスホッケー)を採用した株式会社久慈設計、パラアスリートの夏目堅司選手(スキー・アルペンスキー)を採用したジャパンライフ株式会社の3社が紹介されました。

「オリンピアンによる応援メッセージ」ではスピードスケートと自転車でオリンピックに3度出場している大菅小百合さんが登壇。7年間在籍した日本電産サンキョーで、周囲の人から「頑張ってね」「応援してるよ」と温かい言葉を掛けられ、それが励みになったこと、そしてその後に在籍した大和ハウス工業では自身のためにスケート部を立ち上げてもらい、スケートを始める社員が出てきたエピソードを披露。引退後は大和ハウス工業でコーチ、そして総合宣伝部での仕事をこなした経験も話しました。
 また、スピードスケートの後輩で、この日プレゼンする中村駿佑選手と大和田真選手については、2人の高校時代の話から、選手としての特徴、長所をアピール。最後に、「皆さんで一つの目標を共有して、同僚のアスリートの活躍を願う。アスリートの活躍は社員のモチベーションにも好影響だと私は思っています。今日ご参加の皆さんとこれから登壇するアスリートがそのような関係を築いてくださることを心から願っています」と述べて、応援メッセージを締めくくりました。

 JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を初めて単独開催で実施
鈴木選手(左)と吉田選手(写真:アフロスポーツ)
 JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を初めて単独開催で実施
中村選手(左)と大和田選手(写真:アフロスポーツ)

 そして、八田ディレクターのコーディネートのもと、8選手が自己PRのプレゼンテーションを行いました。

■鈴木千代選手(ビーチバレーボール)
「今シーズンは国内のプロ選手が出場する大会で2度優勝し、国内最高峰の大会では、大学生初の準優勝を成し遂げることができました。また、大学選手権でも優勝することができ、現在日本ランキングでは5位と、大学生で唯一トップテン入りを果たしています。しかしながら2020年東京オリンピックで表彰台に立つには国内だけでなく世界とも戦っていかなくてはなりません。私の可能性を信じ、オリンピックにかける思いを共有していただき、一緒に夢を追いかけていただければと思います」

■吉田拓選手(カヌー・スラローム)
「私は5年後は32歳になります。5年後を目指すことはとても不安がありますが、人生の先輩に『死ぬときにやりきったと思えるか。それが大事』というアドバイスをいただきました。そう考えたとき、東京オリンピックを目指さないわけにはいかないと感じました。これまでの努力、そしてこれからの努力をすべて東京オリンピックにぶつけたい。そういう思いでやっています。
 私を採用していただいた企業様には、1年ずつの単位で吉田拓の価値を判断していただきたいと考えています。引退という二文字を常に背負い、その気持ちをバネに競技に打ち込みたいと考えています」

■中村駿佑選手(スピードスケート)
「私のスケート人生は決して順風満帆ではありませんでした。これといってずば抜けた才能があるわけでもなく、周囲からは高校で諦めた方がいいとも言われました。ですが私は諦めず、高校3年生からスケートノートをつけ始め、日々の練習内容、自己課題、目標を毎日書き、スケートに向き合ってきました。チーム練習の倍のトレーニングに取り組み、空いている時間はビデオでフォームのチェックをするなどあらゆることを考え実践してきました。その結果、大学進学後はインカレ、学生選手権での優勝、ワールドカップ出場、そして昨シーズンは全日本スプリント選手権で優勝し日本一になることができました。男子スピードスケートは、ソチオリンピックではメダルを獲得することができませんでした。昨シーズン日本チャンピオンになった私の使命は次のオリンピックでメダルを取ることです。私がオリンピックに出場してメダルを獲得した時、私がここまで成長できたのは企業の皆さまの応援とバックアップのおかげだと言いたいと思います」

■大和田真選手(スピードスケート)
「冬季インカレ2連覇、ユニバーシアード2種目入賞、アジア大会優勝、2013年のワールドカップでは自力でソチオリンピックの出場枠を獲得しましたが、最終代表選考会では0.03秒足りず、オリンピックの出場を逃してしまいました。
 そのとき、中学当時の担任の先生が平昌までがんばりなさいという言葉を掛けてくださり、また知人や友人、競技関係者も励ましてくれたことで、4年後の平昌オリンピックでは1番高い位置に立とうと前を向いて頑張れています。今後の目標は来期に札幌と帯広で共同開催されます冬季アジア大会、それから2018年平昌オリンピックでのメダル獲得です。目標のために強い信念を持って競技に打ち込みます。そのために是非私に企業様のサポートをお願いしたいと強く思っています」

 JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を初めて単独開催で実施
佐藤選手(左)と細田選手(写真:アフロスポーツ)
 JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を初めて単独開催で実施
小野選手(左)と佐野選手(写真:アフロスポーツ)

■細田将太郎選手(スキー・ジャンプ)
「地元で競技を続けていくために北翔大学に入学し、2度ユニバーシアードの代表となり、団体戦で優勝、北海道代表として出場した国体では4位入賞、また、雪印メグミルク杯では優勝するなどの結果を収めることができました。
 現在の日本の実力は世界でトップクラスにあり、高い技術を教えることのできる監督やコーチがいるため、国内にいながらも高い技術を習得できると考えています。企業様のサポートと社員の方々の応援を得ることができれば、仕事と競技の両立が可能であると私は考えています。目標はまず国内大会で上位に入り、ワールドカップ出場、そして3年後に開催される平昌オリンピックに日本代表選手として出場することです」

■佐藤夏生選手(スキー・スノーボード)

「スロープスタイルでの日本人のレベルは世界的に非常に高く、次のオリンピックでは男女そろってメダル獲得が期待できる種目です。私自身、昨シーズンの世界選手権には日本代表の1人として出場しました。
 私は高校でウインタースポーツの本場であるカナダのウィスラーへ単身留学。毎日が必死で、『失敗してもしょうがないけど2回同じことは間違えないぞ』と心に決めて頑張りました。最終的にはネイティブ同等の英語力を身につけ、高校からは最優秀留学生賞を授与されました。
 私の強みは3つあります。スノーボードの基礎力、カナダで習得した技術力、そして自ら必ず何かを学び次に生かしていく修正力です。今の私に足りないものは、より多くの海外のコースを体験し適応していくための引き出しです。精いっぱいやっていきます。ご支援、ご協力のほど何卒よろしくお願いいたします」

■小野智華子選手(パラリンピック/水泳)
「ロンドンパラリンピックでは100メートル背泳ぎで8位に入賞、また今年行われた世界選手権では4位に入ることができ、表彰台まであと1歩というところまできています。
 私の目標は来年のリオデジャネイロパラリンピックでメダルを獲得し、東京パラリンピックで金メダルを取ることです。そのためにはさらに泳ぎ込みをすることで競技力の向上を図る必要があります。私は現在、あんま、マッサージ、指圧師、針師、きゅう師の国家資格を取得するため勉強しており卒業後はヘルスキーパーとして活躍していきたいと考えています」

■佐野義貴選手(パラリンピック/パワーリフティング)
「パワーリフティングはベンチ台に乗り、寝てバーを胸まで下げ約1秒止めてするスポーツです。私は現在、日本では1位で、72キロ級で143キロの記録を持っています。これは日本記録となっています。世界では18位です。一番大事なことは練習量だと思います。2014年の世界大会で海外の選手との差を強く実感しました。現状、仕事が終わってから2時間しか練習ができていません。これではパラリンピックに行けないと思い、支援をお願いしたいと思っております」

 JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を初めて単独開催で実施
河合パラリンピアンズ協会会長(写真:アフロスポーツ)

 最後に日本パラリンピアンズ協会の河合純一会長が登壇。「パラリンピックのモットーに『失われたものを数えるな。残されたものを最大限に生かせ』という言葉があります。自分たちは脚が動かなくなったかもしれないけど、車いすに乗ることで自由に活動をして社会参加をし、スポーツの世界ではその力を存分に発揮する姿を見ていただいて、多くの方々に勇気と希望を伝えることができるのが、パラリンピックの魅力だと思います。自分の持っている力の全てを出し切ってやるという意味でオリンピックとパラリンピックの違いはないと思っています」と述べ、「オリンピック、パラリンピックを目指しメダルを獲得するということは、並大抵のことではありません。それは1人でやろうと思えば思うほど苦しいものですが、周りのサポートや応援があるということが、何より多くの力を与えてくれて後押しになります。是非、今回のプレゼンをした8名が皆さまとの良い出会いによって、支援の輪が広がることを心から祈っています」と選手たちへのサポートを訴えました。

<アスナビ概要>
■就職実績
2011年3月から2015年9月16日まで計51社73名。(夏季競技選手37名、冬季競技選手28名、パラリンピックを目指す選手8名)

■採用企業規模
上場企業:非上場企業 ほぼ半々

■雇用形態
正社員、または契約社員(1年契約)

■給与水準
同年代の社員に準ずる(月額固定給+競技活動費の選手負担分の一部または全部)

■競技活動費の選手負担
年間50万〜400万程度

■勤務スケジュール
競技活動を優先(大会・合宿を除き、シーズン中は週1-2回、オフシーズンは週3-4回の勤務)

■配属部署
人事、総務、広報、営業など

■社名の使用
オリンピック、ワールドカップなどを除き、概ね可能

■選手肖像利用
ほぼすべての媒体で可能

■引退後の雇用継続
選手との相談により、適宜判断(雇用継続が前提ではない)

※配布資料一部抜粋

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