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2014.11.11 キャリア支援

JOCの就職支援「アスナビ」:北区企業への説明会を実施

JOCの就職支援「アスナビ」:北区企業への説明会を実施
北区の企業を集めての説明会が行われた
JOCの就職支援「アスナビ」:北区企業への説明会を実施
福井強化副本部長が支援を訴えた

 公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)は11月6日、味の素ナショナルトレーニングセンター(味の素トレセン)で、トップアスリートの就職支援ナビゲーション「アスナビ」の説明会を行いました。
 アスナビは、オリンピックや世界選手権などを目指すトップアスリートの生活環境を安定させ、競技活動に専念できる環境を整えるために、企業の就職支援を呼びかける活動。2010年から各地域の経済団体、教育関係機関に向けて本活動の説明会を行い、これまでに35社48人(内定者含む、2014年11月6日現在)の採用が決まりました。

 今回の説明会は北区及び東京商工会議所北支部、城北信用金庫、ハローワーク王子の共催。同区を拠点とする企業を対象に行われ、34企業46人が参加しました。

 まずは福井烈JOC理事選手強化副本部長があいさつに立ち、「以前はスポーツを企業が抱えるというスタイルでしたが、それから企業がサポートするスタイルに変わってきていますし、今後は企業、選手の相互にメリットがある雇用という形に変わっていくと思っています。世界を相手に戦うアスリートは日本の宝。その宝を育てて、支えていくためにぜひとも皆様のお力をお借りできればと思います」と訴えました。
 続いて登壇した花川與惣太北区長は「味の素トレセンと区内企業が近い距離にあるという地理的な優位性を生かして、トップアスリートの町・北区を構築したいと考えています」、越野充博東京商工会議所北支部会長は「2020年の東京オリンピックではスポーツ文化を日本に根付かせていくことが重要だと考えています。北区がその発信地になるのであればこんなにうれしいことはない」、伊藤慎吾ハローワーク王子所長は「北区の企業がオリンピックで活躍するような選手を支えていただけるということになればこんな素晴らしいことはない」と話し、味の素トレセンがある北区からスポーツ文化を盛り上げるために、地元企業の協力を訴えました。

JOCの就職支援「アスナビ」:北区企業への説明会を実施
城北信用金庫で働くフェンシングの森岡選手が自身の経験を話した
JOCの就職支援「アスナビ」:北区企業への説明会を実施
北区のスポーツコンダクターとして働く石野枝里子さん

 八田茂JOCキャリアアカデミー事業ディレクターからのアスナビ事業説明が終わると、採用事例紹介として城北信用金庫の大前孝太郎専務理事と2013年7月採用の森岡美帆選手(フェンシング)が登壇。
 同庫では、2015年4月にはカヌーの大村朱澄選手、フェンシングの山田あゆみ選手の入庫も予定しています。本部のコミュニケーション開発事業部メンバーとして、同庫が開催する地域イベントの盛り上げ、地域住民とのコミュニケーション活性化に取り組む森岡選手は、「多くの人と関わることにより、とても刺激を受けて人としても社会人としても成長させてもらっています」とコメント。大前専務理事は、アスリートに期待することとして、「自分がやっているスポーツ以外のところで1つでも2つでも多く知識のある、得意な分野を磨いていくという姿勢を持っているかどうか」と採用検討のポイントを挙げました。

 続いて、スピードスケートの石野枝里子(2006年トリノオリンピック出場)さんが、「(現役中は)試合に来てくれた会社の方々から、ありがとうという言葉をいただいたときにちょっとは貢献できたかなって思えました」と自身の体験談を披露。現在は北区のスポーツコンダクターとして働き、スケート体験のイベントでは「行きたくてもリンクに行けなかったというご高齢の方に、参加して良かったと言われたときに今までに味わったことのないスケートのときよりもうれしいような感覚を覚えました」。スポーツを支える側で働く喜びを語りました。

 説明会の後半には、就職を希望する現役アスリート6選手がプレゼンテーションを実施。会場を埋めた企業関係者は、緊張しながらも懸命にアピールする選手たちの話に、時折うなずきながら耳を傾けていました。

JOCの就職支援「アスナビ」:北区企業への説明会を実施
大石栞菜選手

■大石 栞菜(フェンシング)
「大学卒業後はフェンシングにかける時間をもっと増やし、1年半後に迫ったリオデジャネイロオリンピックでメダルを取りたいと考えています。エペに転向して迎えた先月の国体では優勝することができました。この結果は私にとって大きな自信と励みになりました。(法政大学女子フェンシング部のキャプテンとして)個々の能力は高いのに団体戦になるとどうも弱くなってしまうところがあったのですが、どんな状況でも後輩の選手たちにプラスの声掛けをしてみんながベストな状態で戦えるように工夫してきました。全体を見る力をつけることができ、チームの練習態度、また競技中の気持ちの切り替えなどができるようになったと思います。少ない出社とはなりますが、試合の報告や競技に対する思いなどをお話したり、できることを精いっぱい頑張らせていただきたいと思います」

JOCの就職支援「アスナビ」:北区企業への説明会を実施
宇山賢選手

■宇山賢(フェンシング)
「私のプレースタイルはこの189cmの高い身長と長い腕を駆使して相手にフェイントをかけてカウンターを狙うところにあります。私は今年に入って2度(海外の大会で)ベスト32に残ることができました。まだまだ満足のいく結果ではありませんが、ランキングに挑戦できる立場になったという競技力の向上を結果で感じることができました。
 目標は2016年のリオデジャネイロオリンピックを通過点とし、2020年の東京オリンピックに出場してメダルを獲得することです。しかしそのためには皆様のご理解、ご支援が必要です。私にチャンスをいただけたなら全力のプレーをもってて恩返しをするとともに、企業様の採用活動における体育会向けセミナーなどで自身の経験をお話しし、役に立ちたいと思っております」

■斎田守(フェンシング協会、選手強化本部長) ※応援メッセージ
「ナショナルチームになるには今のルールでは、国際大会を転戦し、ポイントを稼がなければなりません。その費用をなかなか捻出できず、有望な選手が『僕、辞めます』ということを何度も経験しています。競技団体もスポンサーを集めていますが、まだまだ力が足りずに、つらい思いをしています。こういった夢を追いかけている者を本当に応援していただきたいと思いまして、今日ここに来ております。
 太田雄貴も北京オリンピックでメダルを取る前までは非常に苦しい思いをしてやってきました。彼は(所属先決定の)涙の記者会見をこの場所でしたんです。就職が決まって本当に将来に向かってやれる、この安心感は選手にとって何にも変えがたいものだと思います。何卒、背中を押していただいて夢を応援していただけたらと思います」

JOCの就職支援「アスナビ」:北区企業への説明会を実施
説明会の後は、練習場で実際の練習を見学

■柿崎 史穂(カヌー)※ビデオコメント
「私は北京オリンピック、ロンドンオリンピックと目前でつかみ取ることができず、一度は競技を離れました。しかし、周りの方々が私よりもオリンピックにいけると信じてくれて、支え続けてくれました。ここままじゃ終われない、私なら絶対できるはずだともう一度競技復帰することを決めました。
 復帰してからは今までにないほど、一つ一つの練習に集中し、その年に代表復帰、全日本選手権、国民体育大会で初優勝をすることができました。2013年8月の世界選手権では200mペアで自身ベストの11位、同年10月のアジア選手権大会では1000mペアで2位、先月9月に行われた仁川アジア大会では銅メダルを獲得することができました。3度目の正直、オリンピック出場をつかみ取るため、何一つ妥協せずに皆様の思いとともに夢をつかみたいと思います。応援してくださる企業様があれば、ぜひ社員の方々と夢と勇気を分かち合い、最高の瞬間をともにしたいと思います」

■矢澤 亜季(カヌー)※ビデオコメント
「私は、大学2年から今までNHK杯全日本選手権を4連覇中で日本のトップを走っています。ロンドンオリンピック出場選考会では兄とともに兄妹出場を目指しましたが、私は普段しないような失敗をしてしまい逃してしまいました。現在はその悔しさをバネに(6年後の)東京オリンピックでは金メダルを取りにいきます。私の強みはスピードです。流れに乗っているときはもちろん、流れに逆らっているこぐ私を応援していただくことで、社員の方々に元気と勇気を与えると思います」

■瀧口 陽平(水泳・競泳)※ビデオコメント
「大学2年のロンドンオリンピック選考会で準優勝し、出場するための順位は確保しましたが、タイムが1秒足りず出場を逃しました。出場できない現実を目の当たりにし、水泳に対して気持ちが入らない時期もありました。しかし、チームメートや家族が応援してくれる姿を見て、自分は恩返しができていないと気付きました。そして、地道に努力を重ねた結果、日本選手権では出場した全ての種目で表彰台に上り、さらに世界短水路選手権では800mの日本新を出すことができました。今の目標はオリンピックに出ることはもちろん、メダルという結果を残すことです。
 自分が必死に頑張っている姿を見て、社員の皆様に元気なってもらいたいですし、少しでも会社の雰囲気が良くなるよう努力します」

■岩原知美(アイスホッケー)※ビデオコメント
「アイスホッケーのチームは実業団ではなく、それぞれがクラブチームに所属しながら仕事を終え、練習をする日々です。私はアルバイトをしながらアイスホッケーをしています。次の平昌オリンピックに向け世界に通用するような選手になるためにもっと強くならなければならないと思い、トレーニングをしています。元気が取り柄なので、元気よく精いっぱい働かせていただきます」

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