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2009.11.26 お知らせ

スポーツジャーナリストセミナー2009を開催

スポーツジャーナリストセミナー2009を開催
第1部では日本スケート連盟の吉岡伸彦理事(左)と日本カーリング協会の阿部晋也代表コーチ(右)をパネリストに迎え意見交換が行われた

日本オリンピック委員会(JOC)は、11月25日、日本スポーツ記者協会と共催で、東京都中央区の共同通信社研修・交流センターにおいて、スポーツジャーナリストセミナー2009を開催した。「メディアと競技団体・選手の健全な関係を目指して」をテーマに、国内スポーツジャーナリスト、JOC加盟競技団体・関係者など約100人が参加し、有意義な意見交換を行った。

このセミナーは、国際オリンピック委員会(IOC)の提案により1997年に始まり、今回で13回目。報道する側と報道される側の双方が意見交換を行うことで、より良いスポーツ報道を目指すのが目的。

第一部は、「バンクーバー冬季オリンピックを前に」と題し、現場でのメディア対応について具体的な意見が出された。また第2部は、「取材現場での相互理解を深めよう」と題し、現場で起きている問題点を取り上げ、メディアと競技団体・選手の相互理解と運営協力について話し合った。

第1部では、日本スケート連盟の吉岡伸彦理事と、日本カーリング協会の阿部晋也代表コーチをパネリストに迎え、JOC事業・広報専門委員会の竹内浩委員がコーディネーターを務めた。吉岡理事は、「10月にチームジャパンの会見を行い、それ以降はオリンピックまで個別取材はお断りとした。取捨選択は失礼だし、全社受けるのも不可能」と、人気競技ならではの事情を紹介。試合前後の会見などで対応しているとした。また阿部代表コーチは、カーリングについて「トリノオリンピックでは、日に日にメディアが増えて大注目になってしまった。今回はメディア担当を付けたのでスムースに対応できるだろう」とした。

スポーツジャーナリストセミナー2009を開催
第2部のパネリストは日本陸上競技連盟の本田香代子事業部課長、日本水泳連盟の村松さやか競泳委員、日本サッカー協会の松田薫二広報部部長の3氏

また長野冬季オリンピックでは、メディア側の期待が大きく、選手の肩に力が入ってしまった事例が指摘され、「荒川静香選手は、成績よりも、良い演技だけを考え結果、優勝した。メダルへの期待を周囲が選手に感じさせてはいけない」との意見も出た。トリノでは、屋外でのインタビューで選手が体調を崩してしまった反省から、体調管理に気遣ったメディア対応へのお願いもあった。さらに競技直後の選手にインタビューをするミックスゾーンでの対応について、テレビでも最大60秒などのガイドラインを遵守するよう呼びかけも行われた。

第2部では、日本スポーツ記者協会前事務局長の荻田則夫氏がコーティネーターを務め、日本陸上競技連盟の本田香代子事業部課長、日本水泳連盟の村松さやか競泳委員、日本サッカー協会の松田薫二広報部部長の3氏が、現場からの声を発言した。

日本陸上競技連盟からは、オリンピック後のシーズンのメディア露出が課題とのテーマが挙げられ、メダリストだけでなく入賞者も会見を行うなどの工夫が紹介された。日本水泳連盟からは、公開合宿を頻繁に行い、試合前から選手とメディアのいい関係を築いている成功事例を報告。日本サッカー協会としては、選手のインタビュー窓口がJリーグの各クラブになるため、日本代表選手の個別取材が難しい現状が伝えられた。

また、マネジメント会社に所属する選手の場合、インタビューで謝礼を請求されるケースがあるという問題点が挙げられた。取材での謝礼は発生するべきではないが、テレビ番組で長時間拘束する場合に謝礼が発生する場合もあることから、ケースバイケースだとの意見が出た。

新しい話題としては、ネット媒体に対する取材許可についても意見が出たが、各競技団体ともネットメディアの信頼性を考慮して、ケースバイケースで許可しているという。今後は、「文字のネット」と「動画のネット」を分化する必要性も指摘された。

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