【メダリスト会見】羽根田選手「何回もほっぺをつねって実感しています」

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会見に臨む柔道の永瀬貴規選手（右）とカヌー・スラロームの羽根田卓也選手

　リオデジャネイロオリンピックの柔道男子81キロ級で銅メダルを獲得した永瀬貴規選手と、カヌー・スラローム男子カナディアンシングルで同競技では日本人選手初のメダルとなる銅メダルを獲得した羽根田卓也選手が10日（現地時間）、TOKYO2020 JAPAN HOUSEで記者会見を行い、メダル獲得から一夜明けた心境を語りました。

――一夜明けて、いろいろな方とSNSなどを通じて触れ合いがあったかと思います。そこから感じたことを教えて下さい。

永瀬選手　試合終わってから携帯開いて、本当にたくさんのお祝いの言葉をいただいて銅メダルという自分の望むメダルの色ではなかったのですが、負けてから気持ちを切り替えて2試合戦うことができました。

羽根田選手　昨日は一睡もできないま一夜明けてしまいました。1日経った今でも自分がカヌー・スラローム競技で初めてオリンピックでメダルを取ったということが信じられなくて、昨日からレースが終わった後、何回もほっぺをつねったりして実感しています。

――試合を通じて感じた改善点はありますか？

永瀬選手　予選ラウンドは自分の思うような柔道ができず、臆病になっていた部分があったので、もう少し思い切って、殻を破って自分らしい柔道ができていたら、結果も変わっていたのかな、と思います。

羽根田選手　ちょっとレース前に体調がずっと良くなくて、もう少し気をつけて望むことができれば、結果が変わっていたのかもしれませんが、逆に体調が悪いことによって、自分の中で良い気付けになった部分もあるので、結果オーライということで。　

――今やりたいこと、食べたいものは？

永瀬選手　美味しいものを食べながらお酒を飲みたいです。美味しい肉、焼き肉が食べたいですね。

羽根田選手　自分はずっとスロバキアにいて、日本食を食べることが少なく、日本に触れられることも少ないので、まず美味しい日本食を食べて、日本の夏祭りとか、日本特有のものにできるだけ触れ合って楽しみたいです。

――羽根田さんはスロバキア・ブラチスラヴァに行かれて１０年ほどになりますが、日本を出て海外を拠点にして活動する意味、メダルとの結びつきをどのように実感していますか？

羽根田選手　１８の時にスロバキア行くと決断しました。その決断と周りの方々の後押しがなければこの場にはいないと思うので、スロバキアで１０年間活動してきた賜だとこの結果を受け止めています。

――レース前に体調が良くなかった、というのを具体的に教えてください。

羽根田選手　リオには去年から定期的に何回も合宿に来ているのですが、１週間くらい経つと定期的にお腹の調子が良くなくて、何が原因かは分からなかったのですが、今回は水に徹底的に気をつけて、選手村のサラダをとらない、きっと水道水で洗っているものがたくさんあるので、そういったものを控えたり、歯磨きもペットボトルの水を使ったりして、気をつけました。

――スロバキアで過ごしたこの１０年間、どんな苦労がありましたか？

羽根田選手　スロバキアに渡った地では、試合とかも全くない未開拓の地でした。そういう面の不安はありました。言葉の面でも、自分の英語は高校生レベルにも話せないような片言。師事したコーチの方も英語は片言で、コミュニケーションに困ることもたくさんありました。ですが、コーチの英語が上達して、自分もスロバキア語を覚えるようになったので、そういう逆境が自分のスロバキア語を覚えるようになったり、プラスになったのかなと思います。

――事故で障害を負った高校の同級生の方と励まし合いながら競技を続けてこられた、という報道を見ました。その方にかける言葉、関係性を教えて下さい。

羽根田選手　彼は最も仲の良い友達の一人で、北京オリンピックの時に事故にあってしまったのですが、奇跡的に回復して僕も励ましをもらったりして、僕もカヌー競技で彼をなるべく励ませるようにがんばって、今回もリハビリの動画を日本から送ってもらって励みにしていました。この励ましに今回のメダルで応えることができて嬉しいです。

――日本で羽根田人気が高まっているようです。カヌーの普及に一言お願いします。

羽根田選手　カヌー・スラローム競技は本当に見応えのある競技で、見ていただいた方には絶対に「面白い」と言ってもらえるような素晴らしい競技だと僕は思います。普及という面ではなかなか色々な課題もあると思いますが、このメダルを機に認知度だけでも上がってもらって、「カヌー」って聞いたら「あのカヌーね」って思ってもらえるようなそんな競技になってほしいです。