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ロンドン2012


概要・説明

 国際体操連盟(FIG)が制定する採点規則に基づいて、技の難易度・美しさ・雄大さ・安定性などの観点で複数の審判員が採点し、そこから得点を算出して順位を競う競技である。

競技の種類

◆ 団体総合予選(競技Ⅰ)
 1チーム最大5名の中から、各種目4名を選んで演技し、そのうち上位3名の得点の総合点で順位を決定する。 オリンピックでは、競技Ⅰを団体総合予選とし、12チームの上位8位チームがさらに競技Ⅳ(団体総合決勝)へと進む。

◆ 団体総合決勝(競技Ⅳ)
 団体総合予選(競技Ⅰ)を勝ち抜いた上位8チームが、1チーム最大5名の中から、各種目3名を選んで演技し、その3名すべての得点により順位を決める。なお、競技Ⅰでの持ち点はない。

◆ 個人総合(競技Ⅱ)
 団体総合予選での個人成績により上位者から男女各24名が出場し、もう一度男子6種目、女子4種目を行い、持ち点なしで改めて演技を実施し、その総合得点で順位を決定する。ただし、1カ国から参加できるのは2名までである。

◆ 種目別決勝(競技Ⅲ)
 団体総合予選の各種目の得点を比較し、その上位8名が出場し、持ち点なしで改めて演技を実施し、その得点で順位を決定する。ただし、1カ国から参加できるのは2名までである。

審判編成と採点

 D審判2名、E審判5名、R審判2名の合計9名が採点に携わる。なお、各種目には種目担当スーパーバイザーがおり、最終的な評価、決定点を管理する。D審判は演技構成上のチェックを行い、Dスコア(演技の内容的な難しさを評価した得点)を算出する。E審判はそれぞれ演技構成や技術、姿勢に関する演技のできばえを評価した実施減点を算出する。その実施減点は10点から差し引かれコンピュータによりEスコアが計算される。そして算出されたDスコアとEスコアが加算されて演技された選手の得点となる。

 Dスコアは2名のD審判が協議して1つのDスコアを算出する。それに対してEスコアは、E審判5名の算出したEスコアのうち最高と最低を除いた3名の減点平均を基準点とする。なお、R審判2名が算出したEスコアの平均点とE審判の算出した基準点との間に規則で定められた差が開いてなければ、そのままE審判員の基準点がEスコアとなる。ただし、差があった場合、E審判の基準点とR審判員の平均点を足して1/2した点数がEスコアとなる。これらはすべてコンピュータによる自動処理となる。

 以前、演技の最高点は10点満点だが、2006年から導入されたルールでは、加算方式になったため上限が撤廃された。Eスコアの最高は10点と上限が設けられているが、Dスコアは、行われた技の中から難しいものを10個(女子は8個)選んで決まるので、年々最高Dスコアが更新されている種目もある。ちなみにDスコアの最高は、2011年の世界選手権でみると男子ゆか(6.9)、あん馬(7.0)、つり輪(6.8)、跳馬(7.4)、平行棒(6.8)、鉄棒(7.7)、女子跳馬(7.1)、段違い平行棒(7.1)、平均台(6.6)、ゆか(6.3)だった。

 一方、2011年の世界選手権の各種目の最高得点は男子ゆか(15.700)、あん馬(15.866)、つり輪(15.800)、跳馬(16.866)、平行棒(15.666)、鉄棒(16.441)、女子跳馬(16.033)、段違い平行棒(15.666)、平均台(15.866)、ゆか(15.133)となっており、種目間に最高得点のばらつきがみられる。

 難度はA、B、C、D、E、F、Gの7段階となっている。AはやさしくGはもっとも難しい技につけられている。

競技の種目

男子:ゆか・あん馬・つり輪・跳馬・平行棒・鉄棒(6種目)
女子:跳馬・段違い平行棒・平均台・ゆか(4種目)

男子種目の特徴

ゆ か
12m四方の「ゆか」の上で、70秒以内に、徒手体操的な運動・平均技・静止技・力技・跳躍技・跳ね起き技・倒立回転技・宙返り技を組み合わせて演技をしなければならない。時間の超過は減点される。
あん馬
演技は静止することなく、2つの把手(ポメル)やあん馬全体を使って振動や旋回技を中心に構成し、片足の運動・片足や両足の旋回・交差などを入れて行わなければならない。
つり輪
マットからの高さ260㎝の2つの輪を握ったまま、振動技・力技・静止技を組み合わせて演技を構成しなければならない。
跳 馬
床面から135㎝の高さに設定された跳馬に手をついて跳び越す。技はその難しさによって価値点が定められている。
平行棒
振動や静止技、棒上と棒下で行う技を入れなければならない。明らかな静止技は3回を越えてはならない。
鉄 棒
演技は静止することなく、すべて振動技で構成される。正・逆・背面の車輪やその方向転換、また両手を同時に離して再びバーを握る技を入れて、雄大にリズミカルに行わなければならない。

女子種目の特徴

跳 馬
125㎝の高さに設定された跳馬に手をついて跳び越す。技はその難しさによって跳躍技の価値点が定められている。女子は跳躍技を示す番号を審判に示してから演技する。
段違い平行棒
演技は車輪・ひねり・空中局面を伴う技・支持回転などで構成され、高棒・低棒で、あるいは移動技が組み合わされ、停止することなく演技されなければならない。
平均台
高さ125㎝、長さ5m、幅10㎝の台の上で、90秒以内に、体操系の技(ターン・波動・跳躍・歩・走・バランスなど)やアクロバット系の技(宙返りなど)を構成しなければならない。時間の超過は減点される。
ゆ か
12m四方の「ゆか」の上で、90秒以内に、アクロバット系の技(宙返りなど)、ジャンプの組み合わせやターンなどを、音楽伴奏に合わせて演技しなければならない。時間の超過は減点される。

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