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2012.08.04 オリンピック

【メダリスト会見】アーチェリー女子団体、メダルの重みは三者三様

【メダリスト会見】アーチェリー女子団体、メダルの重みは三者三様
アーチェリー女子団体で銅メダルを獲得した(左から)川中選手、早川選手、蟹江選手

 ロンドンオリンピックのアーチェリー女子団体で銅メダルを獲得した蟹江美貴選手、早川漣選手、川中香里選手がロンドン中心部のジャパンハウスで会見を行い、メダル獲得の心境を語りました。

蟹江選手 銅メダルを取ってから5日経つのですが、やっと銅メダルを取った自覚が湧いてきたかなと思います。取った直後は本当に信じられない感じで実感もなかったのですが、日本のみなさんからおめでとうという言葉を頂いて、個人戦も終わったので、やっと終わったなとホッとした気持ちです。
 競技が終わってからは昨日、日本食を頂いてやっぱり日本の食べ物はいいなと思いました。

早川選手 今の気持ちは約2年間の思いや責任感が取れて、本当に肩が楽になったといいますか楽しいといいますか、やり切ったという感じです。メダルを取った後の感想は今までお世話になった方々や私のわがままを聞いてくれた先生方にいい報告ができて本当にうれしかったです。

川中選手 メダルを取ってからいまだに実感は湧いていないですが、本当に取れてよかったなと思います。

――初めてのオリンピックはどんな印象でしたか?

川中選手 オリンピック出場は初めてでしたが、オリンピックに出ていてもオリンピックという感じはしなくて普段の試合と同じような感じで臨めました。

早川選手 一生に一回しか出られないかもしれない機会を、悔いのないように思い切り楽しもうと思って、さらに結果もついてきて本当によかったと思います。

蟹江選手 (所属する)会社で壮行会を開いて頂いたときに、社長から「ロンドンに降り立ったら楽しんでこい」と言われたし、母親からも「笑って帰れるように」とカエルのマスコットをもらって、ロンドン自体を楽しもうと思って、試合自体も楽しむことができたのでよかったと思います。

 個人戦ではベスト8に入りたいと思っていたのですが、風が読み切れなかったところがあって目標はかなわなかったですが、最後まで自分のいい打ち方ができたので笑顔で終われて満足しています。

――カエルのマスコットの意味は?

蟹江選手 オリンピック最終予選の時に団体で通れるようにと女子3人分を作ってくれて、今回もつけていました。

――会場となったクリケット場の風はどうでしたか?

蟹江選手 一言でいえば難しかったですね。自分の打っているところと的の前で風が違ったので、旗がなびいていなくても風に流されて矢が飛んで行ってしまうことがあったので、そこがちょっと苦しかったかなと……。

――ロシアを破った試合を振り返ってください。

川中選手 韓国戦は相手が強いのは分かっていたので、こちらから臨むような気持ちで打てたので後悔はせずに打つことができました。なのですぐに気持ちを切り替えて、3位決定戦はがんばろうと思って、すぐに打つことができました。

――3人で話し合ったことなどはありましたか

川中選手 「笑って帰ろう」と言っていたので、笑顔を意識しながら楽しく打ちました。

――最後のショットで10点を取った早川選手、あれはどんな気持ちで打ちましたか。

早川選手 最後の役目は10点を入れてから相手を待つことで、前の韓国戦でも調子が悪かったので、ここで挽回しなきゃと思って大事に打ちました。

【メダリスト会見】アーチェリー女子団体、メダルの重みは三者三様
今後は「日本のアーチェリーの発展をサポートしたい」と語った蟹江選手

――3位が決まった時の気持ちは?

蟹江選手 決まった瞬間は、一瞬自分の状況が把握できない感じで、相手が10点を取ったらシュートオフの可能性があったので「シュートオフあるよ」と言い聞かせて気持ちを切らしてなかったので、決まった瞬間はまだその気持ちが残っていて、「勝った……?」という気持ちでのみ込めていない部分がありました(笑)
 団体でメダルを取るということを目指してがんばってきたので、首から下げてもらった時はうれしかったです。

――メダルの報告を一番初めに誰にして、どんな言葉を交わしましたか?

川中選手 会場に父や高校の恩師が来ていたので応援してくれた方に伝えました。「よかったね。おめでとう」と言われて、「ありがとう」と答えました。

早川選手 私は姉に伝えました。姉からは「よくがんばったよ。最後の10点かっこよかった」と言ってもらいました。

蟹江選手 一番初めに伝えたのは、一緒に練習をしている先輩たちですね。親などは会場に来ていたので。団体戦の前からメールなどで先輩とやりとりをしていて、団体戦の時もずっと映像で応援をしてくれていて、自分が報告する前にメールで「本当におめでとう」という言葉が入っていて、応援してもらえてありがたかったです。

――今、一番やりたいこと、食べたいものは何ですか?

川中選手 大学に入ってからずっとオリンピックを目標にしてがんばってきたので、その分の休憩をゆっくりしたいと思います。(ロンドンの街は)見られる時間があればいろいろ見たいなと思います。ロンドンの建物や街並みがすごく好きなので見てるだけで楽しいです。

早川選手 私は自分の家に帰りたいです(笑)。家に帰って自分のベッドで寝たいです。(ロンドンのベッドは)ちょっと狭かったので。

蟹江選手 帰って日本の食べ物とか、自分のベッドで寝たいというのもありますが、本当にオリンピックを目指して、ずっとアーチェリーばかりをやってきたので、自分の時間というのが取れなくて、その分犠牲にしたこと――ミュージカルがすごく好きなので、それを帰って見たいなと思います。

――この後の目標や考えていることがあれば、教えてください。

川中選手 まだ先のことは全然考えていませんが、アーチェリーをすることでたくさんの方にお世話になったので、何かの形で恩返しができたらいいなと思います。

早川選手 私がオリンピックを目指した理由なんですが、日本のアーチェリーの環境がよくなくて、ほかの国に比べて日本のみなさんがアーチェリーを知らない状況があります。
 川中さんはアーチェリーを初めて6年なんですが、今回金メダルを取った韓国の選手たちは15年とか16年なので、その中でよく戦えたという部分もあって、そういう意味では小学生とか中学生を引っ張っていって、4年後や8年後に今の子供たちがオリンピックで活躍できるようにしたいです。(川中選手が)6年目でここまで来たというのは、アーチェリーのセンスが非常にあると思うのでもう少し経験があれば、もっと世界で戦えると思っているので、そういうことをしたいです。
 すでに(活動拠点の)長崎ではすでに中学生とか小学生と楽しくアーチェリーをやっているので、みなさんぜひ長崎に遊びに来てください。

蟹江選手 4年後の目標と言われると、そういった長い期間での目標に向かってやっていくのは苦手なので、近い将来とかを考えると(早川)漣ちゃんも言っていたように、高校で始める選手が多いので、(もう少し若い)小学生や中学生で始めて、今後の日本のアーチェリーを良くしていきたいので、コーチとまでとはいかないかもしれないですが、日本のアーチェリーを発展させるためにサポートをしたいと思っています。
(引退については)具体的には考えていません。

――歴史を変える初めてのメダルとなりましたが、メダルの重さはいかがですか?

川中選手 メダルを取った方々をテレビで見ていると「すごく重たい」と言われるのがよくわかりませんでしたが、実際に首にかけてみると本当に重くて、やはりメダルを取ってよかったなという実感があります。

早川選手 (今まで)メダルの重さというのは考えていなかったですが、首にかけて「重たい」と思った分、私を今まで支えてくれたみなさんに感謝の気持ちを返さなければいけないなと思います。

蟹江選手 メダルをかけてもらった時は重量的に「重い」と思いましたが、しばらく経って、いまだに「おめでとう」のメールなどを送ってもらえるので、応援してくださった皆さんの思いが詰まった重みでもあるのかなと感じています。

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