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北京2008


見どころ

(1)今大会の目標
8位内入賞を目標とする。

(2)日本選手の特徴
射撃・フェンシング・水泳を得意とする村上佳宏は、典型的な逃げ切り型の選手である。オリンピック出場を決めた2007年のアジア選手権でも、2004年世界選手権で優勝した中国のQIAN Zhenhuaや2003年世界選手権で第2位の韓国のLEE Choon Huanを、得意の3種目までは100点以上もの差をつけて独走した。馬術で大きく失点したものの、4種目まで並み居る強豪を従えてトップをキープしたこのスタートダッシュには、目を見張るものがある。

(3)他国の有力選手
有力選手は目白押しである。列強国として世界の近代五種を歴史的に牽引してきたロシア・ハンガリーであるが、リトアニア・チェコらのみならず、孤軍奮闘の強者選手らが入り乱れ、主要大会でも優勝者が目まぐるしく入れ替わる状況である。
その中でも、筆頭はなんと言っても2004年アテネオリンピックのゴールドメダリストで、今大会2連覇を狙うロシアのAndrey MOISEEVである。安定した競技力、特にフェンシング・水泳・ランニングの強さには目を見張るものがあり、何よりゴールドメダルを獲得したオリンピックにおける勝負運は、全ての選手のマークの的となるはずである。これに、直前の世界選手権を優勝した同じくロシアのIlia FROLOV、昨年のヨーロッパ選手権と世界選手権の両大会を制したハンガリーのViktor HORVATH、昨年のワールドカップファイナルを制したリトアニアのEdvinas KRUNGOLCAS、また、ランキング1位のフランスJean-Maxence BERROU、2位のリトアニアAndrejus ZADNEPROVSKISに、ハンガリーのエリートGábor BALOGH、そして開催国中国のQIAN ZhenhuaとCAO Zhongrongも侮れず、これら36人が入り乱れ混戦必死の状況であり、正に戦国時代の名にふさわしい大会になるはずである。

その他特筆すべき事項

(1)過去のオリンピックでの成績
日本は1996年アトランタオリンピック以来、16年間オリンピックに派遣できなかった。アトランタ大会以来、近代五種は大幅な競技規則の変更があり、それまでの5日間で行っていた競技日程も1日となり、2000年シドニー大会からは女子種目が実施されるようになった。めまぐるしく変化する近代五種に、この16年間に出場できた日本選手はいなかった。

(2)今大会出場までのエピソード
村上佳宏の北京オリンピック出場は、順風満帆で迎えたわけではなかった。2006年全日本選手権を優勝してからこそ順調であったが、そこに至るまでは、苦難・苦闘の連続であった。しかし、村上は諦めなかった。2004年アジア選手権兼アテネオリンピックアジア地区予選、4種目まで2位であった村上は、当時上位2名までに与えられる出場権を、もう少しのところで逃してしまったからである。その大会で、逆転を許してしまったランニングについては早朝トレーニング等の自主トレを課し、またその他の種目についても逃げ切る態勢をつくれる競技力の保持に奔走した。その甲斐あって、見事北京のキップを手にすることができた。
奇しくも、その代表権を獲得した日は、愛する妻の誕生日であり、競技を優先するあまり結婚式もまともにあげてやれてなかった村上にとって、最高のプレゼントを贈ることができた。

(3)国際大会での日本チームの成績
村上という明確な目標が身近にあったせいか、近年若手の台頭が目覚ましい。2007年全日本選手権を日本人初となる5,700点台で初制覇した富井慎一は、その次の大会となった2008年ワールドカップ第1戦エジプト大会でも自身初となる予選トップ通過を達成した。間もなく行われた2008年ワールドカップ第5戦チェコ大会では、今度は藤森勇希が同様に予選トップ通過を果たしたのである。

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