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北京2008


見どころ

日本代表選手について

(1)男子

60kg級:8月9日(土)開催
大会初日は、オリンピック初出場の若手急成長の平岡拓晃(了徳寺学園)が登場する。オリンピック4連覇を狙った野村忠宏(ミキハウス)との直接対決はなかったが、2007年嘉納治五郎杯東京国際柔道大会、2008年フランス国際柔道大会、最終選考会である2008年全日本選抜柔道体重別選手権大会で見事に優勝して日本代表の座を獲得した。平岡は得意技の背負投に加えて多彩な足技があり、左右どちらからも攻めるという幅広い攻撃ができる。オリンピック初出場というプレッシャーに打ち勝つことができれば、十分にメダルを狙える。 強豪選手として、2007年世界柔道選手権大会優勝のフーケス(オランダ)、同大会2位のヘルギアニ(グルジア)、同大会3位のベテランのペイシャー(オーストリア)らが挙げられる。平岡はこのペイシャーに2008年オーストリア国際柔道大会で敗れている。

66kg級:8月10日(日)開催
 大会2日目は、オリンピック2回目の出場となる内柴正人(旭化成)が登場する。内柴は60kg級から66kg級へ階級を変更し、約1年間で2004年アテネオリンピック日本代表の座とともに、電光石火の全試合一本勝ちで金メダルも獲得した。そして、2005年世界柔道選手権大会でも健闘して2位に入賞したが、その後不振が続いて2007年世界柔道選手権大会の代表の座を若手の秋本啓之(了徳寺学園)に奪われてしまった。しかし、2008年フランス国際柔道大会2位、2008年全日本選抜柔道体重別選手権大会で優勝してオリンピック日本代表の座を再び手に入れた。どこからでも技が出せるという内柴らしい柔道ができれば、オリンピック連覇も夢ではない。
強豪選手として、2005年と2007年の世界柔道選手権大会連覇中のデルリ(ブラジル)、ヨーロッパ柔道選手権大会3連覇中のケデラシビリ(グルジア)、2008年アジア柔道選手権大会優勝のミレスマイリ(イラン)らが挙げられる。

73kg級:8月11日(月)開催
 大会3日目は、オリンピック初出場の金丸雄介(了徳寺学園)が登場する。2001年世界柔道選手権大会では、決勝戦でマカロフ(ロシア)と死闘を演じ、あと一歩のところで優勝を逃した。また、筑波大学の後輩にあたる高松正裕(旭化成)に2005年世界柔道選手権大会や2004年アテネオリンピックの日本代表の座を奪われ、怪我にも苦しみ、辛い時期を過ごした。そして、2007年世界柔道選手権大会の日本代表に返り咲き、銅メダルを獲得して復活を遂げた。それだけに、北京オリンピックで金メダルを獲得するという思いは並々ならぬものがある。金丸は得意技の背負投や袖釣込腰を中心に、巴投や小内刈を駆使して自分の柔道を徹底できれば、金メダルを狙える。
強豪選手として、2007年世界柔道選手権大会優勝のワン・キチャン(韓国)、同大会2位のママダリ(アゼルバイジャン)、同大会3位のボギエフ(タジキスタン)らが挙げられる。

81kg級:8月12日(火)開催
 大会4日目は、オリンピック初出場の小野卓志(了徳寺学園)が登場する。2005年世界柔道選手権大会で3位に入賞したが、その後、精神的な弱さから安定した試合結果を残すことができず、2007年世界柔道選手権大会の日本代表の座をベテランの塘内将彦(旭化成)に奪われてしまった。2007年嘉納治五郎杯東京国際柔道大会で2位に入賞して復調の兆しを見せるが、2008年フランス国際柔道大会では2回戦敗退と依然として安定感のない試合が続いている。小野は精神的な弱さを克服できれば、内股や大内刈など切れのある技を持っており、十分にメダルを狙える。
強豪選手として、2007年世界柔道選手権大会で全試合一本勝ちという完璧な内容で優勝したカミーロ(ブラジル)、同大会2位のロドリゲス(フランス)、同大会3位のエルモント(オランダ)とバートン(イギリス)、2008年アジア柔道選手権大会で小野が苦杯を嘗めたキム・ジェブン(韓国)らが挙げられる。

90kg級:8月13日(水)開催
 大会5日目は、オリンピック2回目の出場となる泉浩(旭化成)が登場する。前回の2004年アテネオリンピックで銀メダルを獲得し、2005年世界柔道選手権大会で優勝を果たしたが、その後調子が上がらず、2007年世界柔道選手権大会で3回戦敗退、2008年フランス国際柔道大会で2回戦敗退と低迷した。しかし、2008年ドイツ国際柔道大会で優勝を飾り、2008年全日本選抜柔道体重別選手権大会で初優勝すると、その勢いでアジア柔道選手権大会も優勝して好調を維持している。大内刈を中心とした足技で攻め込む泉本来の粘り強い柔道ができれば、十分に優勝を狙える。
強豪選手として、2007年世界柔道選手権大会2位、2004年アテネオリンピック81kg級金メダルで今大会2階級制覇を狙うイリアディス(ギリシャ)、2007年世界柔道選手権大会優勝のツレキーゼ(グルジア)、2008年ヨーロッパ柔道選手権大会優勝のベテランのフイジンガ(オランダ)らが挙げられる。

100kg級:8月14日(木)開催
 大会6日目は、オリンピック2回目の出場となる鈴木桂治(平成管財)が登場する。前回の2004年アテネオリンピックでは、本来の階級である100kg級日本代表の座を井上康生(綜合警備保障)に奪われたが、100kg超級に出場して金メダルを獲得し、世界最強の称号を手に入れた。そして、2005年世界柔道選手権大会では、念願の100kg級で優勝を果たした。その後、不調が続き、2007年世界柔道選手権大会では、2回戦で敗退して王座から転落した。しかし、2008年のドイツ国際柔道大会とチェコ国際柔道大会で3位となり、復調の兆しを見せている。多彩な足技で相手を翻弄する鈴木本来の柔道ができれば、オリンピック2階級制覇も夢ではない。
 強豪選手として、2007年世界柔道選手権大会優勝のコレア(ブラジル)、2008年ヨーロッパ柔道選手権大会優勝の若手のグロル(オランダ)、同大会3位で鈴木が苦手としているベテランのゼービ(イスラエル)らが挙げられる。

100kg超級:8月15日(金)開催
 大会最終日は、オリンピック初出場の石井慧(国士舘大学)が登場する。石井は2007年嘉納治五郎杯東京国際柔道大会、2008年オーストリア国際柔道大会、2008年カザフスタン国際柔道大会、2008年全日本柔道選手権大会に優勝して、棟田康幸(警視庁)や井上康生(綜合警備保障)らの代表有力候補を退け、日本代表の座を勝ち取った。また、2007年に100kg級より階級変更して以来、国際大会では無敗である。石井は体落を中心に大内刈などの足技も巧みであり、粘り強い寝技にも定評がある。その若さと勢いでオリンピック初出場・初優勝が期待される。
 強豪選手として、若干18歳で2007年世界柔道選手権大会を優勝したリナー(フランス)、同大会2位のベテランのトメノフ(ロシア)、同大会3位のグジェジア二(グルジア)、2007年世界柔道選手権大会無差別2位のリュバック(ベラルーシ)、同大会3位のタングリエフ(ウズベキスタン)らが挙げられる。

(2)女子

48kg級:8月9日(土)開催
大会初日は、オリンピック5回目の出場となる谷亮子(トヨタ)が登場する。谷は2005年世界柔道選手権大会で日本代表の座を獲得しながらも、出産と育児のために出場を辞退して約2年間の休養を取った。そのブランクをものともせず、2007年世界柔道選手権大会で金メダルを獲得して再び女王の座に君臨している。2000年シドニーオリンピック、2004年アテネオリンピックと連覇しており、2008年北京オリンピックでの3連覇が期待される。
強豪選手として、2007年世界柔道選手権大会2位のベルモイ(キューバ)、同大会3位のジョシネ(フランス)とドゥミトル(ルーマニア)らが挙げられる。なお、谷は、この3名との直接対決を制して2007年世界柔道選手権大会で優勝している。

52kg級:8月10日(日)開催
 大会2日目は、オリンピック初出場となる19歳の中村美里(三井住友海上火災保険)が登場する。48kg級であった時代はポスト谷と言われ、その片鱗を見せて期待されていたが、なかなか結果を出すことができなかった。2007年講道館杯全日本柔道体重別選手権大会から52kg級に階級を変更して優勝を果たすと、2007年嘉納治五郎杯東京国際柔道大会優勝、2008年フランス国際柔道大会3位となった。2007年世界柔道選手権大会3位の西田優香(了徳寺学園)との直接対決はなかったが、2008年全日本選抜柔道体重別選手権大会に優勝して日本代表の座を得た。中村は48kg級の時代から国際大会の経験が豊富であり、小外刈など足技を得意としている。初出場のプレッシャーを若さと勢いではね除けて、どこまで戦えるかがみどころ。
強豪選手として、2007年世界柔道選手権大会優勝のシ(中国)、同大会2位のモンテイロ(ポルトガル)、同大会3位のアン(北朝鮮)らが挙げられる。

57kg級:8月11日(月)開催
大会3日目は、オリンピック初出場の佐藤愛子(了徳寺学園)が登場する。佐藤は52kg級であったが、2005年講道館杯全日本柔道体重別選手権大会から57kg級に階級を変更して優勝を果たすと、徐々に実力をつけて頭角を現してきた。2007年世界柔道選手権大会で銅メダルを獲得し、2001年世界柔道選手権大会で日下部基栄(福岡県警)が銅メダルを獲得して以来、日本の57kg級に久しぶりにメダルをもたらした。前回の2004年アテネオリンピックでは、57kg級だけメダルを獲得することができなかっただけに、今回は粘り強い柔道で寝技を得意とする佐藤にメダル獲得が期待される。
強豪選手として、2007年世界柔道選手権大会優勝のケー(北朝鮮)、同大会2位のフェルナンデス(スペイン)、2008年ヨーロッパ柔道選手権大会優勝のフィルツモザー(オーストリア)らが挙げられる。

63kg級:8月12日(火)開催
大会4日目は、オリンピック2回目の出場となる谷本歩実(コマツ)が登場する。谷本は内股、一本背負投、袖釣込腰が得意で「一本」を取る柔道を信条とし、前回の2004年アテネオリンピックでは全試合「一本」勝ちで金メダルを獲得した。しかし、近年、谷本は国際大会での優勝がなく、ライバルのデコス(フランス)に2005年世界柔道選手権大会と2006年ワールドカップの2大会で一本負けをしている。また、2007年世界柔道選手権大会の準決勝戦でゴンザレス(キューバ)に「効果」で敗退して本来の実力が発揮できない状況が続いている。谷本が海外選手からの厳しいマークをかいくぐってオリンピック連覇を達成できるかがみどころである。
強豪選手として、2007年世界柔道選手権大会優勝のゴンザレス(キューバ)、同大会2位のデコス(フランス)、2008年ヨーロッパ柔道選手権大会3位のゾルニール(スロベニア)らが挙げられる。

70kg級:8月13日(水)開催
大会5日目は、オリンピック3回目の出場、前回の2004年アテネオリンピック金メダルの上野雅恵(三井住友海上火災保険)が登場する。2005年世界柔道選手権大会で惨敗したが、何とか気持ちを立て直して2006年アジア大会柔道競技では全試合「一本」勝ちの圧倒的な強さで優勝して完全復活を果たした。しかし、その直後の2006年福岡国際女子柔道選手権大会で肘を怪我した後、思うように柔道ができず、2007年世界柔道選手権大会の日本代表から外れてしまった。しかし、この経験を糧に2007年嘉納杯治五郎杯東京国際柔道大会優勝、2008年フランス国際柔道大会3位と再び日本代表に返り咲いた。また、2008年アジア柔道選手権大会を優勝して安定した強さを発揮している。大内刈と体落を得意技とする上野がオリンピック連覇を達成できるかがみどころである。
強豪選手として、2007年世界柔道選手権大会優勝のエマヌ(フランス)、同大会2位のルーシー(アメリカ)、同大会3位のスカピン(イタリア)らが挙げられる。

78kg級:8月14日(木)開催
大会6日目は、オリンピック初出場の中澤さえ(綜合警備保障)が登場する。中澤は大外刈、内股を得意とし、安定して実力を発揮しているが、2005年世界柔道選手権大会と2007年世界柔道選手権大会の2大会連続でラボルデ(キューバ)に一本負けして銀メダルに甘んじている。特に2007年世界柔道選手権大会では、試合終了間際に逆転負けをして、あと一歩のところで金メダルを逃した。その雪辱を果たし、金メダルを手に入れることができるかがみどころである。
強豪選手として、2007年世界柔道選手権大会優勝のラボルデ(キューバ)、同大会3位のポッサマイ(フランス)、2008年ヨーロッパ柔道選手権大会優勝のウォーレット(ドイツ)らが挙げられる。

78kg超級:8月15日(金)開催
大会最終日は、オリンピック2回目の出場、前回の2004年アテネオリンピック金メダルの塚田真希(綜合警備保障)が登場する。塚田は全日本女子柔道選手権大会を7連覇中であり、日本女子最強の選手である。また、体落を得意技とし、寝技も巧みであり、2007年世界柔道選手権大会の78kg超級で銀メダル、無差別で金メダルを獲得した。この大会の78kg超級決勝戦で塚田はトン(中国)に「指導1」の僅差で敗れているが、実力は伯仲している。ライバルはトン1人であり、トンとの対決を制してオリンピック連覇を達成できるかがみどころである。

近年のオリンピック

2000年 シドニーオリンピック

男子初日60kg級の野村忠宏(ミキハウス)は、準決勝戦で苦戦を強いられるが、決勝戦は開始14秒、隅落の一本勝ちで快勝してオリンピック連覇を達成した。2日目66kg級は、前回の1996年アトランタオリンピック銀メダルの中村行成(旭化成)が3回戦で一本負け、敗者復活最終戦も一本負けで7位に終わった。3日目73kg級は、前回の1996年アトランタオリンピック金メダルの中村兼三(旭化成)が4回戦で一本負け、敗者復活3回戦で敗退した。このイヤなムードを払拭したのが、4日目81kg級の瀧本誠(日本中央競馬会)であった。強敵のチョー(韓国)に「有効」などのポイントを重ね、金メダルを獲得した。5日目90kg級は、オリンピック3大会連続出場の吉田秀彦(新日本製鐵)が3回戦のオノラト(ブラジル)との試合で肘を脱臼するというアクシデントに見舞われ、その後の敗者復活戦を棄権した。6日目100kg級の井上康生(東海大学)は、初のオリンピックであったが抜群の強さを見せ、全試合一本勝ちで優勝した。最終日100kg超級の篠原信一(旭化成)は、決勝戦で前回の1996年アトランタオリンピック金メダルのドゥイエ(フランス)に掛けた内股すかしが相手の「有効」ポイントとなり、これが試合展開に大きく影響する。一度はドゥイエに罰則ポイントで追いついたが、内股返で「有効」を奪われて銀メダルに終わった。これは日本チームにとっては納得のいかない結果であった。

女子初日48kg級、過去2回のオリンピックに出場し、優勝候補といわれながらも金メダルに手が届かなかった田村亮子(トヨタ)は、決勝戦でブロレトワ(ロシア)に快心の内股が決まり、3度目の挑戦で悲願の金メダルを獲得した。2日目52kg級の楢崎教子(ダイコロ)は、決勝戦で「技あり」を先取していたが、ベルデシア(キューバ)の背負投で敗れて銀メダルに終わった。3日目57kg級の日下部基栄(福岡県警)は、3回戦で2-1の「判定」で敗れたが、敗者復活戦を勝ち上がり、得意の大外刈で銅メダルを獲得した。4日目63kg級、1999年世界柔道選手権大会で優勝してメダルが期待された前田桂子(筑波大学)は緒戦の2回戦で敗退した。5日目70kg級の上野雅恵(三井住友海上火災保険)は3回戦で一本負け、敗者復活戦も2回戦でウエルブルック(ベルギー)に「合せ技」の一本負けで敗退した。6日目78kg級、オリンピック連続出場し、1997年と1999年世界柔道選手権大会で優勝して金メダルが期待されていた阿武教子(警視庁)であったが、緒戦の2回戦で敗退した。最終日78kg超級の山下まゆみ(大阪府警)は準決勝戦で敗れはしたが、敗者復活戦を勝ち上がり、3位決定戦でシコ(フランス)に残り1秒、大外刈で一本勝ちして銅メダルを獲得した。

 日本は男女合わせて金メダル4個、銀メダル2個、銅メダル2個の合計8個とメダル獲得数で首位となったが、全体的にメダルが25の国や地域に分散していることから、柔道の国際化が進み、各国の競技力が向上している大会であった。

2004年 アテネオリンピック

男子初日60kg級の野村忠宏(ミキハウス)は、準決勝戦まで全試合「一本」で勝ち上がり、決勝戦も危なげなく勝利してオリンピック3連覇の偉業を達成した。2日目66kg級の内柴正人(旭化成)は、全試合「一本」で勝ちの素晴らしい内容で優勝した。しかし、3日目73kg級の高松正裕(旭化成)は、現地に入ってから体調を崩し、実力を発揮できず緒戦の2回戦で敗退した。4日目81kg級の塘内将彦(旭化成)は1回戦で一本負け、敗者復活戦も1回戦で敗退した。5日目90kg級の泉浩(明治大学)は準決勝戦でファン(韓国)と一進一退の壮絶な試合となるが、最後に渾身の背負投で勝利を収めた。しかし、決勝戦では「指導1」の罰則を与えられてズビアダウリ(グルジア)にポイントをリードされると、焦って掛けた大外刈を返されて一本負けの銀メダルに終わった。6日目100kg級の井上康生(綜合警備保障)は、オリンピック連覇が期待されたが、いつもの技の切れや落ち着きがなく、4回戦で一本負け、敗者復活2回戦も一本負けで銅メダルにも手が届かなかった。最終日100kg超級の鈴木桂治(平成管財)は本来の100kg級ではなかったが、次々と強豪選手を得意の足技で退け、決勝戦もトメノフ(ロシア)に小外刈で一本勝ちし、1988年ソウルオリンピック以来の日本男子重量級金メダルをもたらした。

女子初日48kg級、結婚して田村から谷に名字が変わった谷亮子(トヨタ)がジョシネ(フランス)を破って金メダルを獲得し、オリンピック連覇を達成した。2日目52kg級の横澤由貴(三井住友海上火災保険)は、準決勝戦でサボン(キューバ)にポイントをリードされていたが、試合終了間際の袖釣込腰で逆転勝ちを収める。しかし、決勝戦でシアン(中国)に横四方固で抑え込まれて銀メダルに終わった。3日目57kg級の日下部基栄(福岡県警)は、3回戦でベニッシュ(ドイツ)に「合せ技」の一本負けを喫し、敗者復活2回戦でフェルナンデス(スペイン)に「指導2」で敗退した。これで快進撃が止まると思われたが、4日目63kg級の谷本歩実(コマツ)が全試合一本勝ちで金メダルを獲得すると、5日目70kg級の上野雅恵(三井住友海上火災保険)もすばらしい試合内容で金メダルを獲得した。6日目78kg級、世界柔道選手権大会で4連覇しているが、過去2回のオリンピックで1勝もしたことのなかった阿武教子(警視庁)が3度目の正直で悲願の金メダルを獲得した。最終日78kg超級の塚田真希(綜合警備保障)も決勝戦で逆転の後袈裟固による一本勝ちで金メダルを獲得した。 日本は男女合わせて金メダル8個、銀メダル2個とまさにゴールドラッシュという好成績を残し、世界中の人々へ日本柔道の強さと「一本」を取る柔道の醍醐味を伝えることのできた大会であった。

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