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アテネ2004


アテネオリンピック検証

成功した日本復活プロジェクト

竹内: 「日本復活プロジェクト」は、いわゆる日本のお家芸がまさに復活しました。非常に着目点が良かったと思います。このプロジェクトの見直し、さらなる推進・促進は今後どうなりますか。

福田: アテネに向けて強化費がないということで、会長をはじめJOC幹部はずいぶん国に働きかけました。「勝てというなら強化費を出してください」ということで、日本復活プロジェクト予算が10億円つきました。JOCと独立行政法人スポーツ振興センターが、メダルの可能性の高い競技から順番に配分しました。これがすごく生きた訳ですね。
 この強化費が今までにない国内外の強化合宿、海外試合というものを可能にし、今回の37個のメダルにつながりました。事前の準備、シミュレーションがしっかりできた。これを可能にしたのが日本復活プロジェクトであり、totoの助成でした。37個のメダルのうち、陸上競技2個、水泳10個、体操競技4個、レスリングが6個、柔道が10個と、5団体で37個中32個のメダルを獲得しました。これは全体のメダル数の約86%にあたります。もう一つは、JISSを使った競技団体がこの成果を出したことで、このプロジェクトが生きてきました。「国の施策も生きています。スポーツには金がかかるんです」と示すことができました。

ローマ大会からアテネ大会までの各NOC金メダル獲得数
米国 ドイツ 韓国 フランス オーストラリア イタリア カナダ 英国 日本
1960(ローマ) 34 12 0 0 8 13 0 2 4
1964(東京) 36 10 0 1 6 10 1 4 16
1968
(メキシコシティー)
45 14 0 7 5 3 1 5 11
1972(ミュンヘン) 33 33 0 2 8 5 0 4 13
1976(モントリオール) 34 50 1 2 0 2 0 3 9
1988(ソウル) 36 48 12 6 3 6 3 5 4
1992(バルセロナ) 37 33 12 8 7 6 6 5 3
1996(アトランタ) 44 20 7 15 9 13 3 1 3
2000(シドニー) 39 14 8 13 16 13 3 11 5
2004(アテネ) 35 14 9 11 17 10 3 9 16

(注):ドイツ獲得数の1968(メキシコシティー)〜1988(ソウル)は東西の合算数



早田: これからはどうかというと、日本はピラミッド型で頂点を目指しメダルにつなぐ強化と、スポーツ愛好者を増やして国民の支持を得るということが大事だろうと思います。

福田: 日本復活プロジェクトは、「やめないでください」というのはもちろんだけど、今「倍にしてください」という働きかけをしています。

竹内: セーリングの男子がアジアで初めてメダルを取りました。アーチェリーも久しぶりに取りました。自転車競技もトラックで銀メダル。このような競技もがんばりました。こういう競技が元気になってもらうには、競技団体はどうしたらいいでしょうか。

早田: セーリングもアーチェリーも精一杯やっています。国内の試合、合宿をJOCの強化メンバーとして視察しましたが、本当にコーチ、選手は必死になって頑張っています。これを機に、他の上昇競技種目にも支援してあげられるよう環境を作ってあげたいですね。

チームゲームの課題

竹内: 日本の伝統的5競技が「これさえがんばってくれればいい」という訳にはいきませんよね。

福田: 今回は個人種目ががんばったんです。ですが、ボールゲーム、チームゲームが勝つことによって、スポーツ全体が盛り上がるんですよ。両輪の輪で団体種目も力を入れていかなきゃならんということは、間違いありません。  ただし、問題点があります。特に今回アテネに行った種目については、選手が企業やリーグに所属していました。本当は1年以上前に各リーグがナショナルチームやナショナル選手を出して一緒に合宿や遠征、海外試合に行ったりしていなければならない。ところが、オリンピックの数カ月前に寄せ集めていてナショナルチームの考え方がないんです。もっとオリンピックやナショナルチームというものを理解してもらって、早めにナショナルチーム編成をする。これを可能にするにはパワーが必要で、各リーグに相当理解してもらわなくてはならない。これが今、悩みの種です。

早田: 特にプロの競技種目に関しては、やはりオリンピックよりはリーグに主眼を置いているので、いろいろ事情はあるでしょうけれども、やはり「世界中が集まって4年に1回のオリンピックと、毎年毎シーズンやるのとは訳が違うんだよと」いうことで、オリンピック意義を理解していただく。地位が上がれば社会的位置付けも変わってくると思います。

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