1972年はスポーツ界にとって、また世界が地球規模で「環境」を真剣にとらえ行動を始めた年として、永く記憶されている。1972年から今日までの環境に関わる国際オリンピック委員会(IOC)と日本オリンピック委員会(JOC)、国際連合(UN)、国連環境計画(UNEP)などの活動をまとめた。
| 1972 |
札幌で開催された第11回オリンピック冬季競技大会の恵庭岳ダウンヒルコースは、大会終了後、植林を行い原野に復元させる約束のもと設置され、約束通り札幌冬季大会組織委員会は植林を行った。 同年、アウレリオ・ベッチェイ博士が設立した民間シンクタンク「ローマクラブ」は第1報告書として『成長の限界』を発表。現在のまま人口増加や環境破壊が続くと、資源の枯渇や環境悪化により、100年以内に人類の成長は限界に達すると警鐘を鳴らした。
国際連合(United Nations = UN)はストックホルム会議で採択された「人間環境宣言」と「環境国際行動計画」を実施するための機関として国際環境計画(United Nations Environment Program = UNEP)を設置。国連機関としては初めて本部を発展途上国であるケニア共和国の首都ナイロビに置いた。 |
| 1976 |
第12回オリンピック冬季競技大会が開催される予定だったアメリカのデンバーが、大会開催を返上。経済問題の他、環境保護団体からの強力な抵抗・抗議に遭い、解決策が見出せなかったためといわれている。このため開催地は急きょオーストリアのインスブルックに変更された。 |
| 1990 |
1990年まで、国際オリンピック委員会(IOC)はさまざまな形で環境保全団体からの抵抗運動に遭っていたが、当時のサマランチIOC会長が、オリンピックムーブメントに環境保全を加えると提唱し、「スポーツと文化と環境」の3本柱となり、これまでの受け身の体制から積極的に環境保護に乗り出すことを打ち出した。 |
| 1992 |
バルセロナで行われた第25回オリンピック競技大会で、全参加NOCが「地球への誓い」(The Earth Pledge)に署名。世界のスポーツ界が真剣に環境について考えるきっかけとなった。同年UNEPは地球環境サミットを開催。188カ国で大気中のCO2などの温室効果ガスの増大による地球温暖化防止を目的とした「気候変動枠組条約」を締結。ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催された国連環境開発会議(United Nations Conference on Environment and Development = UNCED)では、「アジェンダ21」「環境と開発に関するリオ宣言」「森林原則宣言」を採択した。アジェンダ21には、地球に生きる全ての人間が行動すべきことが綴られ、さまざまな団体の環境保全のための行動の指針となっている。 |
| 1993 |
国連はアジェンダ21の実施状況を検証するための「持続可能な発展委員会(Commission on Sustainable Development = CSD)」を設置。 |
| 1994 |
IOC創立100周年記念としてフランス(パリ)で行われた第12回オリンピックコングレスで「スポーツと環境」分科会を開催。オリンピック憲章に初めて「環境」についての項目が加えられた。 |
| 1995 |
第104次IOC総会(ブダペスト)でスポーツと環境委員会が設置され、委員長にパル・シュミット氏が就任。同年、スイス(ローザンヌ)において、「第1回IOCスポーツと環境世界会議」を開催。 |
| 1996 |
オリンピック憲章に環境に関する項目、「持続可能な開発」が追加された。 |
| 1997 |
IOCは「第2回IOCスポーツと環境世界会議」をクウェートにて開催。
同年、気候変動枠組条約第3回締約国会議(Conference of Parties 3 = COP3)で、京都議定書が採択された。これにより、採択した国は2012年までに温室効果ガス削減を実行する義務を持つことになり、日本は1990年比で温室効果ガスの削減が6%という数値が義務づけられた。 |
| 1999 |
6月、第109次IOC総会(ソウル)で、1992年のUNCEDのアジェンダ21をスポーツ界の環境保全の基礎概念と実践活動を規定した「オリンピックムーブメンツ・アジェンダ21」を採択し、ブラジル(リオ・デ・ジャネイロ)で開催された「第3回IOCスポーツと環境世界会議」でこれを承認した。 |
| 2001 |
JOCはスポーツ環境委員会を設置。
IOCは「第4回IOCスポーツと環境世界会議」を長野で開催。アジェンダ21を実践するための「Give The Planet A Sporting Chance」を長野宣言として採択した。 |
| 2002 |
JOCは環境啓発のためのファーストポスターとパンフレットを作成、関係各団体に配布。ホームページに「スポーツと環境」のページを新設。また中国(北京)で行われた極東及び東南アジアを対象としたIOCスポーツと環境・地域セミナーに参加した。 |
| 2003 |
JOCはすべてのNOCの中で世界最初のISO14001の認証登録に成功。環境啓発のセカンドポスターを作成、配布。またオリンピックフェスティバルの開催に合わせて環境啓発横断幕を作成し、各競技団体に貸与を開始。スポーツ環境委員会は最初の活動報告書を作成し、以後毎年発行している。
IOCは「第5回IOCスポーツと環境世界会議」をイタリアのトリノで開催。 「Partnerships for Sustainable Development」をトリノ決議として採択した。 |
| 2004 |
JOCは「第1回スポーツと環境担当者会議」を国立スポーツ科学センター(JISS)で開催。環境啓発のサードポスターを作成・配布した。 |
| 2005 |
JOCは「第1回JOCスポーツと環境・地域セミナー」を大阪で開催。多くの関西地区のスポーツ関係者が参加した。11月には「第2回スポーツと環境担当者会議」をJISS で開催。環境啓発のジョイントポスターと、パンフレット改訂版を作成・配布した。
IOCは「第6回IOCスポーツと環境世界会議」をケニア(ナイロビ)で開催。ナイロビ宣言として「スポーツと平和と環境」を発表した。
2月16日、京都議定書発効。環境省は温室効果ガス6%削減のアクションプラン「チーム・マイナス6%」を国民運動として開始。JOCもこの運動のメンバーとなる。 |
| 2006 |
JOCは「第2回JOCスポーツと環境・地域セミナー」を長野市で、「第3回スポーツと環境担当者会議」をJISSで開催予定。今年度の環境啓発のイラストポスターを作成・配布した。また、ISO14001の審査登録を更新した。
IOCは5月27、28日「IOCスポーツと環境・地域セミナー」をマレーシア・クアラルン
プールで開催した。
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