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HOMEコラム/インタビュー会長インタビュー2020年東京開催決定を受けて

会長インタビュー

うれしさとともに感じた大きな責任

最終プレゼンに登壇したパラリンピアンの佐藤真海選手(写真:アフロスポーツ)
――日本中が注目したIOC総会での最終プレゼンテーションについて

 はじめに、高円宮妃久子殿下が東日本大震災の復興支援に謝意を述べられました。皇室がIOC総会に出席されるのは初めてで、これまでの皇室とスポーツの関係、オリンピック・ムーブメントの素晴らしさについて語っていただき、大変名誉なことでした。
 プレゼンにはひとつのストーリーを作って臨みました。まず「スポーツの力」についてパラリンピアンの佐藤真海選手が病気で右足を失った体験と、東日本大震災で被災した家族や故郷の子どもたちのエピソードを紹介。続いて流れた映像と合わせて、多くの方が感銘を受けたとおっしゃってくださいました。その後、東京の高い開催能力や日本の高い技術力、ホスピタリティのほか、オリンピックでドーピング違反者を一人も出していない潔癖さなどを紹介して、「日本の強さ」をアピールできました。「おもてなし」で話題になった滝川クリステルさんは、フランス語でプレゼンを行いました。IOCの公式言語は英語とフランス語で、フランス語しか話せない委員もいるので、非常に効果的だったと思います。
 このように、一人ひとりが与えられた役割を確実に果たしたことで、ひとつのストーリーが成立し、IOC委員の心をキャッチできたのではないでしょうか。

開催地発表の瞬間、歓喜に沸く東京招致団(写真:AP/アフロ)
――事前の得票予測は?

 1回目の投票で42票、決選投票で60票という東京の得票数はほぼ予想通りでした。しかし、マドリッドとイスタンブールが同数になり、タイブレークでマドリッドが敗退したのは予想外でした。いくつか要因はあると思いますが、イスタンブールは今回で5回目の挑戦ということもあり同情票があったのでしょう。

――開催都市発表の瞬間は何を思いましたか?

 必ず勝てると信じていましたが、「東京」という言葉を聞くまでは「大丈夫だろうか?」という不安もあったので、発表の瞬間はとてもうれしかったです。発表セレモニーで私は招致団と離れ、他のIOC委員と同じ舞台の上にいたので、喜びの輪に加わっていいのかわからずにいると、周りの委員が「行ってらっしゃい」と後押ししてくれました。
 そして、招致活動中の8月に亡くなった母の顔を思い浮かべました。直接決定を伝えることはできませんでしたが、もし生きていたら喜んでくれたでしょう。また、多くの皆様から支持をいただいたので、その期待に応えられてうれしかったのと同時に、それだけ大きな責任を背負ったので「これからが大変だ」と身の引き締まる思いがしました。

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