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会長インタビュー

東京2020大会で掲げる高い目標に向かって

室伏理事は「東京2020大会での目標達成のためには情報の共有が大切」と語る(写真:アフロスポーツ)
――リオデジャネイロ、東京を見据えて選手強化本部の体制を変更しましたが、期待している成果はどのようなものですか?

竹田 まず過去6年間のオリンピックを分析しました。その上でメダルを獲る可能性のある競技だけでなく、現在ではなかなか成績を収められていないものの、過去に良い成績を出していて復活の可能性がある競技に対しても活動のサポートをして、2020年までになんとか引き上げたいという考えを持っています。

室伏 私のハンマー投もそうだったのですが、実は1968年のメキシコオリンピックは菅原(武男)さんという方が3位と同記録での4位という成績がありました。熱心に強化する人がいることによってまた復活するということもあります。過去に強かった競技も強化の対象となることで、得意なところも苦手なところも2020年に向けて開花していく可能性があるんじゃないかなと思いますので、非常に楽しみです。

――東京では金メダル獲得数第3位、実施28競技すべてで入賞という目標を掲げていますね。

竹田 金メダル獲得数3位という目標は非常に高くて、1964年東京オリンピックのときのメダル獲得率から計算すると20個から33個です。これを可能にするのは、競技を行える場所でトレーニングが全部できるとか、時差がないとか、多くの強い応援を受けられるなどの条件です。多くの競技はオリンピックに出るための選考会に最大のピークを持っていかないといけませんが、オリンピック本番にピークを持っていくために最大限の強化をすることが開催国の特権なわけです。日本の「お家芸」に頼ったのではとてもこの数までは届きませんから、先ほど申し上げたように、過去に良い成績でメダルを取った競技をもう一回掘り起こして目標数に近づけていく努力をしたいと思っています。

――室伏理事は、その高い目標をいかに達成するかについて、アスリートの目線から何が必要だと思われますか?

室伏 情報戦略もそうですし、科学的なサポートも重要になってくると思います。そして連携ですね。コーチと科学者、トレーナー間で、情報をきちっと共有しているかどうかがすごく大切です。例えば医師や理学療法士が診断をして、「ここの部分にけがをする可能性があるので気を付けた方がいい」ということが指導者に伝わっていれば、無理やりその練習をさせなくて済むかもしれない。情報の共有、縦と横の連携は、私も自分の経験上すごく助かりました。それをいま日本はできる、(環境が)整っているのではないかと思います。
 また、今のトレーニングシステムというのは10代〜20代を対象にしているものが主流ですが、スキー・ジャンプの葛西紀明選手が活躍しているように、30代〜40代に対して選手寿命を延ばすトレーニングを行うことも、メダル獲得につながると思います。

竹田 味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)ができるまでは、各NFの連携の機会はほとんどなかったんですよね。それぞれが、自分たちだけで競技力向上を求めていた。NTCができてからはNFの相乗効果もあるし、そういった連携が深まってきたと思いますね。

ロンドンオリンピックでは過去最高の38個のメダルを獲得。大会後に銀座で行われたパレードには50万人が集まった(写真:アフロスポーツ)
室伏 食事を一緒にしたり、一緒に寝泊まりしますからね。

竹田 そうそう。そうすると選手だけでなくてコーチの交流も出てくるし、その他の競技から逆に新しいことが得られる。そういったことがだんだん当たり前になってきているのが強みですね。NTCが拡充されて、さらにそういうメンバーが増えると、より良い方向に行ってくれるだろうと思いますね。

――では、このままいけば目標は達成できるということでよろしいでしょうか。

室伏 (笑)。2020年ですよね? それは十分に可能性があると思いますし、私はできると思います。

―――最後に力強いお言葉をいただきました。どうもありがとうございました。

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