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会長インタビュー

次世代の子どもたちに、スポーツやオリンピックの価値を伝えるために

室伏理事が2009年から続けているという国立競技場の聖火台磨き(写真は2013年9月)。2015年は競技場取り壊しにより一時貸与された宮城県石巻市で実施した(写真:AP/アフロ)
――室伏理事は各種イベントで子どもたちと触れ合う機会が多いですが、オリンピック・ムーブメントを浸透させていくために意識していることはありますか?

室伏 8歳か9歳のときでしょうか、1956年のメルボルン大会で金メダルを獲ったハンマー投の選手にサインをもらったんです。その時のTシャツをずっと持っていたんですよね。それで、いつか僕も出てみたいなという気にさせられたのを覚えています。
 子どもたちはなかなかオリンピアンには会えないと思うので、いろんなところにオリンピアンが行って、サインをするとか一緒に写真を撮るとか、そういうことだけでもモチベーションになると思います。さらには一緒に体を動かしたりゲームをしたりすれば、もっと忘れられないインパクトを与えますので、そういう機会を増やすことが大事かなと思いますね。

――国立競技場の聖火台を子どもたちと一緒に磨くイベントもずっと続けていらっしゃるそうですね。

室伏 あれはシンボルですし、作った方は大切にずっと磨いてこられたということに驚いて、私もぜひということでやらせていただいています。目の前で聖火台を触った人なんてあまりいないわけですから、それに触れるというだけでも子どもたちはすごく喜んでやっていますので、継続してやっていきたいと思います。ご存知ですか? あれはごま油で磨くんですよ。

竹田 へぇ、ごま油で!

室伏 ごま油が一番鉄が酸化しないらしくて。作者の方が布で磨いて乾かすんですが、ごま油のいい匂いがするので、お腹が空いてくるんです(笑)。

――室伏理事は大学教授でもありますが、次世代の子どもたちにレガシーを残していくために、教育者の立場としてどのように考えていますか?

室伏 人としてのバランスを取っていくことがスポーツの大切なところですし、その中にはいろんなドラマがあります。私は父に指導されたということもありますが、その場合、まず親子関係が悪かったら記録は伸びないわけです。実は人生そのもののようなこともスポーツには関係していて、そんな日常を乗り越えられないと自分の目標には到達しません。
 そういった意味では、できるだけ多くの人が、たとえば親子でも参加できるようなイベントをもっと推進していくべきじゃないかなと思います。オリンピックに向けて参加者もどんどん増えてくるでしょうし、そういったJOCの事業もしっかり取り組んでいきたいと思っています。

ロンドンオリンピック・パラリンピックのメダリストが復興支援の一環として参加した「応援ありがとう in 東北」のパレードで子どもたちとふれあう室伏選手(写真:アフロスポーツ)
――竹田会長が所信表明で触れている「オリンピックミュージアム」も、子どもたちにレガシーを残すためのひとつの構想だそうですね。

竹田 1912年のストックホルム大会で、日本は初めてオリンピックに出場しました。そのために、大会1年前の1911年に大日本体育協会(日本体育協会とJOCの前身)を設立して、今年が105年目になります。
 その間、日本はオリンピックを3回開催し、世界でも稀に見る「オリンピック・ムーブメントに貢献している国」となりました。それが今回、2020年にもう一度オリンピックを開催するという栄誉を受けたわけです。
 ですので、これまでの105年間の歴史を振り返るとともに、東京2020大会を後世に残すために新たにオリンピックミュージアムを作り、正式なIOCのミュージアムネットワークの中で、オリンピック・ムーブメント推進の拠点にすることには大変意義があります。そして、ただ作るだけではなく、多くの人に来ていただける環境に置くことが重要だと思っています。

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