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青野令選手(スキー・スノーボード 男子ハーフパイプ)

写真提供:アフロスポーツ

写真提供:アフロスポーツ

『ハーフパイプ』は半円筒のコースの中を左右に往復しながら、技の難易度やジャンプの高さ、全体のコンビネーション等を競う種目。ダイナミックな演技を繰り広げる選手たちのパフォーマンスは、見るものを魅了します。

「僕のアピールポイントはエアー(ジャンプ)の高さです。これでは誰にも負けたくないと思っているので、そこを見て欲しいです」

スノーボード界の新星、青野令選手は現在18歳。一年を通して温暖な愛媛県出身の青野選手がライディングスキルを磨いたのは、地元(愛媛県東温市)にある国内最大級の屋内ゲレンデ『アクロス重信』です。全日本スキー連盟公認のハーフパイプコースを有する同施設は、1999年のオープン以来、渡部耕大選手や藤田一海選手らといったナショナルチームメンバーを輩出、現在では愛媛を『スノボ王国』と言わしめる程になりました。

青野選手が初めてハーフパイプに触れたのは小学4年の時。競技を始めた当初、幾つかの大会に出場しますが、全く勝つことが出来ません。「あの頃はすごく悔しかった・・・・・・」と青野選手は当時を振り返ります。その敗戦が逆によかったのか、負けず嫌いな青野選手の闘志に火がつき、“絶対強い選手になる”という思いを胸に日々練習を重ねてきたと言います。

その成果は、2004年JOCジュニアオリンピックカップでの優勝となって現れます。以降は、翌2005年の同大会でも優勝し2連覇を達成、2006年にはシニアの大会であるFISキスマークカップ スノーボードジャパンで15歳にして見事優勝を果たしました。また、同年FISチューリップテレビカップでも優勝、それらの実績により2006-2007シーズンからワールドカップの日本代表に選出され、富良野大会、カナダ・カルガリー大会第1戦、第2戦での3連勝、そして最終戦のカナダ・ストンハイム大会で2位入賞を果たす等目覚しい活躍を見せ、日本男子初のワールドカップでの総合優勝という快挙を成し遂げました。

昨シーズンは王者としての実力を十分に発揮し、開幕戦のニュージーランド大会、そして韓国大会で優勝を果たし、日本人トップの総合6位という結果をおさめました。また、世界のトップライダーが参加するエクストリームスポーツの祭典“Winter X Games”においては、ショーン・ホワイト選手(トリノオリンピック金メダリスト)に次ぐ2位となり同大会で日本人選手として初めて表彰台に立つ等、国内外から大いに注目を集めました。

輝かしい成績を残す青野選手ですが、「実は…試合前のプレッシャーが苦手なんです」と笑います。しかし「試合中は何も考えずに、笑顔で明るくプレイすることだけを心掛けています」と、切り替えの早さは18歳ならでは。

「新しい技が出来るようになった時はすごく気持ちがいいんです!それに、(スノーボードを通して)いろいろな経験が出来る事が嬉しくて」と、若い感性で青野選手は柔軟に成長しています。

『ハーフパイプ』は1998年の長野冬季オリンピックから正式種目になって以来、長野冬季大会に4名、2002年のソルトレークシティー冬季大会に3名、2006年のトリノ冬季大会には4名の男子選手が出場していますが、その中で予選を通過したのはソルトレークの中井孝治選手(5位入賞)ただ一人です。

しかし近年は、圧倒的な強さを見せる米国選手はじめとする強豪国との戦いの中でも、日本選手が着実に結果を残しています。

今シーズンのワールドカップ開幕戦ニュージーランド大会では、工藤洸平選手が優勝し、青野選手はそれに続く2位獲得。また、女子では中島志保選手も優勝する等、現在日本のハーフパイプ界は黄金世代と言えるでしょう。その先頭に立つ青野選手は今シーズンの目標を、「世界選手権大会(2009年1月23日から韓国で開催)での優勝」と定めます。

「その先の目標は、やっぱりバンクーバー冬季オリンピックでの金メダル獲得。スノーボードでも日本人は世界の頂点に立てるんだと、僕が証明したいです」

2010年2月12日に開幕するバンクーバーへの思いを胸に、青野選手は今シーズンの戦いに挑みます。青野選手の活躍はウインタースポーツを益々盛り上げてくれる事でしょう。今や世界屈指の選手となった青野選手の滑りに、是非ご注目下さい。

(編集部 2008.11.28掲載)