コラム/インタビュー

アスリートメッセージ

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第38回世界体操競技選手権大会より
(写真提供:アフロスポーツ)

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第38回世界体操競技選手権大会より
(写真提供:フォート・キシモト)

第28回オリンピック競技大会(2004/アテネ)では28年ぶりの体操団体総合金メダル獲得に大きく貢献し、2005年にはオーストラリアのメルボルンで開かれた第38回世界体操競技選手権大会で31年ぶりに個人総合優勝を果たし、冨田洋之選手は名実ともに世界のトップに立った。

「アテネオリンピックでは金メダルを取ることを目標にしていました。取れたときはほっとしたというより素直にうれしかったです。国際試合で評価がだんだん上がってきた中での金メダルでした。オリンピックでも世界選手権でも優勝という成績が出せたことは自信になりました」と、これまでを振り返り、冨田選手は静かに語った。

「でもトップに立ったという意識はなくて・・・。これまでとはルールががらりと変わるので、また一からのスタートです」
冨田選手が言う"ルール改正"は、今年の1月から施行された新ルールのこと。これまでの最高10点満点の採点は廃止され、演技のできばえを10点満点で評価し、演技の難しさに応じて得点を加えていく方式へと変わった。これにより点数は青天井となり、ルール改正後は点数による世界記録や自己記録などが出てくると考えられている。大幅なルールの改正や世界チャンピオンという立場に対して「それがプレッシャーになることはないです」と、淡々と答えた。

冨田選手は、オリンピックや世界選手権という大舞台でも非常に落ち着いた様子で静かに演技をこなす。その冷静なたたずまいは、普段でも変わることはない。しかし本人は「自分では冷静だと思わないです。もちろん試合中は演技のことを考えて緊張します。でも緊張が表にでないほどに集中しているのです」と話してくれた。
世界の大舞台で戦う緊張感は、私たちの想像をはるかに超えたものがあるだろう。しかしその緊張感の中で観客の声援を自分のパワーにする冷静さも備えている。
「演技中も会場の声援は聞こえます。感動してもらえ、印象に残る演技ができることは嬉しいことです。声援によって気持ちよく演技もできます」

アテネオリンピックの時に沸きおこった歓声もパワーの源になったという。
「演技に心配なところはなかったのですが、歓声があがったことで、着地を絶対に決めようという気持ちが強くなりました。最終種目の鉄棒で手放し技のコールマンを決めたときの歓声はすごかったですね」
伸身新月面宙返りで着地を決め、その結果が28年ぶりの体操団体総合金メダルにつながった。冨田選手の集中力の高さ、冷静な性格がうかがわれるエピソードだ。

冨田洋之選手
第28回オリンピック競技大会(2004/アテネ)より
(写真提供:アフロスポーツ)


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