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アスリートメッセージ

現在、日本のセーリング界でもジュニアのためのヨット教室がOP級を使用して盛んに行われている。しかしまだ社会的にはセーリングそのものに対する理解度が、欧米に比べて低いということも否めない。

関選手は「日本は国中を海に囲まれていて、それはヨット乗りにとって魅力的なことではあるのですが、セーリングという競技は、やはり欧米が主流の競技ですので、日本から見ると(実際の競技)会場が物理的に遠いところがネックですね」

セーリングの魅力については、「風を使い、波を使い、自然を相手に行うスポーツというところが魅力です」と関選手。さらに轟選手は「自然との一体感の中で、しかも大勢で楽しめるのがセーリングです。それが魅力ですね。競技としてのセーリングは、技術力、精神力、体力など総合的な力が必要となります。同じようにレースを行っていても、瞬間の場面は全て違います。ひとつ状況の判断を間違えれば順位は大きく変わってしまいます」

セーリング競技はレース数が多いので競技期間が長くなる。その中で両選手は平静心を保つこと、要するに「いつものとおり」に競技期間中を過ごすことが大事だと言う。
「僕は、とにかく怪我をしないように心掛けています。それでもレースが終わるとどこか怪我をしてしまっていますが」という関選手は、食事、体調管理を含め「あくまでマイペース」が基本。それ故に一人になる時間を多く作るのだそうだ。

轟選手は体重のコントロールを前提に、食事も計算して摂取。必要に応じて筋力トレーニングも行う。「朝起きてから、艤装など競技前に多くの時間が必要となります。常に緊張を保つことは不可能ですし、またその必要もありません」
いつものとおりに海に出て、そして勝つ。

アテネ大会でメダルをかけた最終レース。両選手の戦いぶりはあくまでも坦々としていた。普段の力を出せば必ず勝つという、二人の強い精神力がそこにはあった。
メダリストとなった関選手と轟選手の次なる目標は「北京大会」と明言。セーリングチームの「さらなる日の丸」を北京に期待したい。

Photo:AFLO FOTO AGENCY /Getty Images/AFLO

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関 一 人( せき かずと )

生年月日 : 1975年 9月 11日(29歳)
身長体重 : 身長 167cm 、体重 60kg
出身地 : 千葉県千葉市(出生地:静岡県清水市)

学歴 :
1988年3月 千葉市立磯辺第4小学校卒
1991年3月 千葉市立磯辺第1中学校卒
1994年3月 私立土浦日本大学高等学校卒
1998年3月 日本大学法学部政治経済学科卒
1998年4月 関東自動車工業株式会社入社

現在 : 関東自動車工業株式会社 人材部人事厚生室所属

戦 歴 :
1990年 北京アジア大会 OP級 優勝
1999年 ナショナルチーム派遣選手最終選考会 優勝
オリンピック最終選考会 6位
2000年 富山国体 優勝


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轟 賢二郎(とどろき けんじろう)

生年月日 : 1975年 9月 1日(29歳)
身長体重 : 身長 175cm 、体重 73kg
出身地: 茨城県つくば市(出生地:千葉県千葉市)
現住所 : 神奈川県横須賀市

学歴 :
1994年3月 私立霞ヶ浦高等学校卒
1999年3月 京都産業大学経済学部経済学科卒
2001年5月 関東自動車工業株式会社入社

現在 : 関東自動車工業株式会社 人材部人事厚生室所属

戦  歴 :
1997年 全日本学生選手権個人戦(スナイプ級) 優勝
1999年 全日本470級選手権大会  2位
2000年 全日本レーザー級選手権大会  2位

関・轟チーム戦歴

2001年
イタリアン・オープン 優勝
470級世界選手権大会 32位
全日本470級選手権大会 優勝
ナショナルチームアジア大会代表選考会 優勝

2002年
セールメルボルン 5位
釜山アジア大会 2位
全日本470級選手権大会 2位
03年度ナショナルチーム選考レース 2位

2003年
バルセロナオリンピックセイリングウィーク 19位
オリンピックウィーク(福岡)  8位
全日本470級選手権大会 優勝
04年度ナショナルチーム選考レース 2位

2004年
オーストラリアン チャンピオンシップ 3位
セールメルボルン 4位
470級世界選手権大会 17位
(アテネオリンピック出場確定)
キールウィーク 19位
アテネ大会男子470級 銅メダル


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