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第29回オリンピック競技大会(2008/北京)

水泳・シンクロナイズドスイミングのみどころ

日本代表選手団

日本のシンクロナイズドスイミングは、過去最大の危機に直面している。1984年ロサンゼルスオリンピックで水泳の実施種目に採用されて以来、6大会ともすべての種目でメダルを獲得してきた。しかし、北京オリンピックは世界トップのロシア、追うスペイン、新興の中国に続く4番手とみられて臨むこととなり、連続メダルが途切れるピンチを迎えている。

2004年アテネ大会ではデュエット、チームともに1位ロシア、2位日本、3位米国だった。その後、米国が衰退してスペインが徐々に力を伸ばした。テクニカルルーティン(TR)とフリールーティン(FR)で別々に最終順位を決めた昨年の世界選手権では、日本はオリンピック種目ではチームのTRで2位、その他3種目では3位となりスペインと世界2番手を争っていた。一方、2006年のドーハアジア大会で2種目とも日本を上回って優勝した中国は、アジア大会後に日本代表前ヘッドコーチの井村雅代氏をヘッドコーチに迎え、地元開催でシンクロ初のメダル獲得へ本格的な強化に乗り出した。世界選手権ではチームとデュエット計4種目で4位につけた。

日本は昨年12月に代表選考会を行い、9人を選んだ。エースの鈴木絵美子(ミキハウス)と原田早穂(同)、川嶋奈緒子(アール・ビー・ティーグループ)が2度目のオリンピック出場で、ほかは初出場。最も長身は173pの青木愛(井村シンクロク)。7人が160p台で橘雅子(浜寺水練学校)が158pと、海外の強豪と比べると低い。

そして、今年4月のオリンピック世界最終予選に臨んだ。オリンピックでは今回から大陸別予選が導入され、アジア代表は開催国の中国となり、日本は最終予選に回った。予選通過が確実だった日本にとっては、欧州でロシアに次ぐスペインや中国との戦いが大事だった。しかし、鈴木、原田組のデュエットは1位のスペインに1・666点の大差をつけられ、中国の蒋文文と蒋婷の双子ペアをも下回った。チームでは中国は不参加だったがスペインに大きく遅れた。正確さと勢いの良さが持ち味だった日本は、技の難度を上げるとともに芸術性を加えようと試みたが、演技の完成が遅れ、選手は泳ぎこなせないまま最終予選に臨んでいた。

5月上旬のジャパン・オープン終了後、金子正子チームリーダーは選曲や演技構成、水着などの見直しに着手した。選手は基礎体力から鍛え直し、再び日本らしい元気のよさを表現することでメダル死守を目指す。2000年シドニーオリンピック前から覇権を握るロシアは同調性と完成度の高さが武器で、スペインは独創性と力強さが光る。中国は長身で体形の美しさを生かして完成度を増している。厳しい戦いが日本を待っている。