第29回オリンピック競技大会(2008/北京)

バドミントンのみどころ

日本代表選手団

今大会のみどころ

今大会の目標、日本の有力選手、他国の有力選手等

MS 1名、WS 1名、MD 2組、WD 2組、4種目計10名の代表選手が決定。今回XDの出場はない。いままで5種目ともオリンピックでのメダル獲得はない。
今回が最大のチャンスである。昨年8月に行なわれた世界選手権において、男子ダブルスの池田/坂本組、女子ダブルスの小椋/潮田組が銅メダル獲得し、チーム全体の雰囲気は最高の状態にある。

MS:佐藤翔治(世界ランク18位)が出場。目標は入賞(5位)。全日本総合選手権大会優勝4回の実力に期待したい、世界に負けないスピードを武器にスタミナ負けしないことが必要条件になる。5月に行われたトマス杯(世界団体選手権大会)においてピーター・ゲードを破っており、大物食いが期待できる。メダル候補は前回優勝のタウフィック・ヒダヤット(同7位)、中国勢のリン・ダン、バオ・チュンライ、チェン・ジンの3選手(同1・3・4位)、マレーシアのリー・チョンウェイ(同2位)、デンマークのケネス・ヨナセン、ピーター・ゲード(同5・8位)等。

WS:日本としては層の厚い種目であり、いままでは数名の代表を出してきたが、今回は廣瀬栄理子(世界ランキング15位)1名のみの出場。廣瀬は一時世界ランキング7位まで昇りつめていたが、ケガにより、大会を欠場し、ランキングを下げてしまった。現在は調子を上げてきており、本来のスピードのあるフットワークが戻ってきた。粘りのあるプレーから、いかに持久戦に持ち込めるかがメダル獲得へのカギとなる。目標は入賞(5位)。他メダル候補はシェー・シンファン、ツァン・ニン、ルー・ラン(同1・2・3位)等、中国勢と香港のワン・チェン(同5位)、デンマークのティーネ・ラスムセン(同7位)、マレーシアのウォン・ミューチュー(同10位)等。

MD:池田信太郎/坂本修一組(同11位)、舛田圭太/大束忠司組(同14位)の2組で目標はメダル獲得。この種目は世界で最も激戦であるが世界ランキング16位以内に入ると最大2組出場という条件をクリアしたのは2組に実力が付いてきた証拠である。池田/坂本組はスピードあるドライブ系のラリーに強く、世界選手権3位の再現を狙う。舛田は今回で3連続出場、大束とのダブルスは2回連続、世界トップクラスの350キロと言われるスマッシュを武器に勝負にでる。力負けせず、積極的に打ち続けることが絶対条件である。優勝争いはインドネシアのマルキス・キドー/ヘンドラ・セティアワン組(同1位)、中国のカイ・ユン/フ・ハイファン組(同2位)、韓国のジュン・ジェサン/イ・ヨンデ組(同3位)、マレーシアのチューン・タンフック/リー・ワンワー(同4位)等を中心に展開されるが実力的に上位下位の差がほとんど無く、日本、デンマーク勢にもチャンスがあり、どこの国のどのペアーが勝つか予想がつかない。

WDは小椋久美子/潮田玲子組(同7位)、と末綱聡子/前田美順組(同8位)で日本として一番メダルの期待がもてる種目である。目標はメダル獲得。小椋/潮田組は4組に与えられるシード権は逃したが、一昨年のアジア大会、昨年の世界選手権3位が示すように大舞台に強い。二人のスマッシュから相手を崩していく攻撃は威力抜群であり、常に先手をとって積極的に攻撃することで活路が開ける。末綱/前田組は今年に入り、急速に力を付けてきており、末綱のレシーブ力と前田の攻撃のバランスが咬みあえば上位へ食い込める。ライバルは中国勢のヤン・ウェイ/チャン・ジェウェン組、ドウ・ジン/ユ・ヤン組(同1・2位)、韓国勢のイ・キョンウォン/イ・ヒョジュン組(同4位)、イングランドのゲイル・エムス/ドナ・ケロッグ組(同6位)等。

XDは前回アテネ大会でこの種目に日本は初出場したが、どちらかというと日本は苦手の種目であり、今回は出場なし。男女の緩急のスピードの使い分けが勝負を分ける。優勝争いは中国、インドネシア勢にこの種目の盛んなデンマーク、イングランド等ヨーロッパ勢が一発勝負を賭けてくる。

その他特記事項

話題性のある選手

舛田圭太/大束忠司(MD出場)

2004年アテネオリンピックに続き2大会連続出場(舛田はシドニーMS出場、3大会連続出場)。2007年USオープン優勝。
舛田は全日本総合選手権(1998〜2002)シングルス5連覇(日本タイ記録、二人目)を達成後、オリンピック出場に向け、シングルスを捨ててまでダブルスに専念して臨んだアテネ大会で、第二シードの中国組にファイナルゲームの接戦になりながら敗れた苦い経験が今のモチベーションを高めている。今年の全英選手権大会で世界ランキング1位のインドネシアのマルキス・キドー/ヘンドラ・セティアワン組に勝っており、大束とのダブルスのコンビネーションは抜群で今が一番充実している。舛田のスマッシュは350キロ、どこからでもスマッシュが打てるのが強みで思い切りの良いプレーが身上です。大束はネット前の攻撃では世界トップクラスであり、前で相手を崩して、いかに舛田のスマッシュに繋げるかがメダル獲得の鍵となる。

佐藤翔治(MS出場)

アテネ大会に続き2大会連続出場。カナダオープン優勝。
ここ一年では海外での優勝はカナダオープンしかないが2006年のトマス杯では前回アテネ大会優勝のタウフィック・ヒダヤットを破り、今年5月には同大会ベスト8のピーター・ゲードを破るなど、自分のペースを掴むと強さを発揮する。今が円熟期でスピードと粘りが身上であり、全身を使ってのストローク、フットワークは疲れを知らない。オリンピックでは自分のペースを貫き、体力の勝負まで持ち込めるかが上位に食い込むための重要課題となってくる。
日本では全国大会の小学、中学、高校、大学、全日本総合選手権とすべての年代でチャンピオンになっている唯一の選手である。

小椋久美子/潮田玲子組

現在、全日本総合選手権4連覇中(2004〜2007)。世界が認める日本のエース。
大阪インターナショナルチャレンジ2008優勝。
4年前のアテネ大会の出場権獲得期間では、実力がありながら、小椋の左足小指の骨折と潮田の虫垂炎などで大会欠場が多く、世界ランキングを上げることが出来ず残念ながら出場することができなかった。そのため、この4年間の今大会出場への思いは誰よりも強かったはず。この一年もお互いにケガと戦いながらの出場権獲得であった。
また、彼女たちが2002年2月(高校3年時)に初めて組んだジュニアナショナルとしての遠征においてオランダジュニアで準優勝し、次は優勝をと目指したドイツジュニアで決勝に進出したにもかかわらず、日本への飛行機便の変更が出来ず、やむなく決勝を棄権して帰らなければならないという不運な出来事があった。そのことは二人の心の奥にずっと残っているはず。その時のリベンジも含めて、今回は万全な体調で悔いのない戦いをしてもらいたいものである。