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第29回オリンピック競技大会(2008/北京)

ウエイトリフティングの解説

日本代表選手団

(1)競技の概要

競技者はプラットフォームとよばれる床におかれたバーベルを両手で頭上に挙げる競技である。挙上方法によって「スナッチ」と「クリーン&ジャーク」の二種目があり、競技者はそれぞれの方法で3回ずつ挙上し、それぞれ成功した最高重量のトータルで順位を競う。
競技は体重によって区分された男子8階級、女子7階級の階級毎に行われる。

(2)「スナッチ」と「クリーン&ジャーク」

スナッチは、プラットフォームに置かれているバーベルを一気に頭上に引き上げる種目である。
クリーン&ジャークは、プラットフォームに置かれているバーベルを肩の位置まで持ちあげ、その位置から足の反動を使って頭上に差し挙げる種目である。

(3)階級

男子:8階級
・56s級(体重56.00s以下)
・62s級(56.01s〜62.00s)
・69s級(62.01s〜69.00s)
・77s級(69.01s〜77.00s)
・85s級(77.01s〜85.00s)
・94s級(85.01s〜94.00s)
・105s級(94.01s〜105.00s)
・+105s級(105.01s以上)

女子:7階級
・48s級(体重48.00s以下)
・53s級(48.01s〜53.00s)
・58s級(53.01s〜58.00s)
・63s級(58.01s〜63.00s)
・69s級(63.01s〜69.00s)
・75s級(69.01s〜75.00s)
・+75s級(75.01s以上)

(4)検量

検量はそれぞれの階級の競技開始2時間前に開始し1時間で終了する。体重に過不足があった場合は失格となる。
選手の「スナッチ」と「クリーン&ジャーク」の第1試技の重量は検量時に申し込む。

(5)競技者の服装

肘・膝を覆わない身体にフィットしたコスチュームを着用しなければならない。

(6)器具

競技会で使用するバーベルは国際ウエイトリフティング連盟の認定を経たものでなければならない。

1. バー
・男子用:重量20s、全長2200o、直径28o
・女子用:重量15s、全長2010o、直径25o

2. ディスク(重量/色)
・25s/赤、 20s/青、 15s/黄、 10s/緑、 5s/白
・2.5s/赤、 2s/青、 1.5s/黄、 1s/緑、 0.5s/白
(10s以上のディスクはゴム又はプラスチックで覆われおり、直径は450o。)

3. カラー
ディスクのずれや脱落を防止するために1個2.5sのカラーとよばれる留め具を左右に付けなければならない。

4. 競技用プラットフォーム
競技は競技用プラットフォーム上で行われ、競技者がバーベルを挙上してもそこから足を踏み外した場合や、バーベルをその外側におろした場合は失敗となる。 規格:広さ4m四方、厚さ5p〜15p、木製又はプラスチック製

(7)競技の進行

  • 競技会は階級毎に行われ、はじめにスナッチ競技が行われ、その後クリーン&ジャーク競技が行われる。
  • プラットフォーム上にセットされるバーベルの重量は順次重くなり、より軽い重量を試技する競技者が先行して試技をする。
  • プラットフォーム上のバーベルは1s単位で増量されるが、競技者は自身が試技する重量を増加する場合は、第2試技は第1試技より2s以上、第3試技は第2試技より1s以上増量しなければならない。
  • 同じ重量で複数の競技者が試技をする場合は第1試技を行う競技者が第2試技を行う競技者に先行し、第2試技を行う競技者は第3試技を行う競技者に先行する。
  • 第1試技で同じ重量に複数の競技者が試技をする場合は、競技会の前に行った抽選番号が若い競技者の試技が先行する。
  • 第2試技以降で同じ試技で同じ重量で複数の競技者が試技をする場合は、その前の試技で先行して試技を行った競技者が先行する。
  • 競技者には放送係が競技者名をコールしてから試技開始まで1分間が与えられる。1分経過した時にバーベルが離床していなければその試技は失敗となる。但し、同じ競技者が連続して試技を行う場合は、後の試技に2分間が与えられる。
  • 成功・失敗の判定は三人のレフリーが行い、それぞれのレフリーの判定は会場内に成功は白色のライトで、失敗は赤色のライトで表示され、試技の判定は白色が2つ又は3つの時その試技は成功となり、赤色が2つ又は3つの時失敗となる。

(8)順位の決定

  • 「スナッチ」と「クリーン&ジャーク」それぞれ成功した最高重量のトータルで順位を決定する。
  • 同じ重量のトータルに複数の競技者がいた場合は検量持の体重が軽い競技者が上位となり、尚且つ体重も同じだった場合はその記録を先に樹立した競技者が上位となる。
  • オリンピック競技大会では「スナッチ」で3回の試技に失敗すると失格となり、「クリーン&ジャーク」の試技はできない。また、「クリーン&ジャーク」で3回の試技に失敗した場合も失格となり、トータルの順位から除外される。

(9)出場年齢制限

オリンピック競技大会に出場できる最低年齢は満16歳となっている。

(10)世界記録の公認

世界記録は国際ウエイトリフティング連盟のカレンダーに掲載された国際競技大会で樹立されたものだけが公認される。したがって、仮に国内大会で世界記録を上回る重量に成功しても世界新記録として公認されることはない。

実力ある女子競技者が揃う中国では、国内大会で世界記録を上回る記録が数多く樹立されていますがそれは世界記録として公認されていない。中国では世界記録より国内記録の方が高いレベルにある階級がある。

(11)女子の競技

女子の世界選手権大会は1987年から行われ、2000年シドニー大会からオリンピックの正式種目となった。

(12)コーチの役割

競技は1つの階級を選手の実力に2つのグル−プに分けて行われる。1グループの人数は10名程度。事前に申告した最高記録が高い選手はAグループとなり、低い選手はBグループとなる。このグループに選手が1名出場しているチームは3名のコーチが、2名の選手が出場している場合は4名のコーチがウォーミングアップ場に入ることができる。

選手の「スナッチ」と「クリーン&ジャーク」の第1試技の重量は検量時に申し込み、第2・3試技の重量はその前の試技が終了してすぐに申し込むが、申し込みを済ませた後でも各試技とも2回までその重量を変更することができる。

コーチは競技の進行状況を考慮しながらバーベルをセットし、選手にウォーミングアップの指示をし、選手のコンディションを確認する。その際、出場選手の抽選番号・体重を念頭に置き、競争相手となる選手のコンディション・試技の成否・各試技の申し込み重量等を観察して、時々刻々と変化する状況の中で常に自チームの選手が優位になるように申し込み重量を変更・決定し、そしてまた変更・決定する。そのため競技が一進一退する状況になると、試技重量を申し込むカードの置かれたテーブル周辺は各国のコーチが入り乱れることとなる。

競技会場で挙上の失敗・成功だけを見ていると、このようなウォーミングアップ場の状況は分からないが、スコアシートに記録を記入しながら観戦していると舞台裏の作戦が見えてくる。