第29回オリンピック競技大会(2008/北京)

体操・体操の解説

日本代表選手団

国際体操連盟(FIG)が制定する採点規則に基づいて、技の難易度・美しさ・雄大さ・安定性などの観点で複数の審判員が採点し、そこから得点を算出して順位を競う競技である(今回10点満点が廃止となったルールによる初めてのオリンピックとなる)。

競技の種類

■ 団体総合予選(競技T)
1チーム最大6名の中から、各種目5名を選んで演技し、そのうち上位4名の得点の総合点で順位を決定する。 オリンピックでは、競技Tを団体総合予選とし、上位8位チームがさらに競技W(団体総合決勝)へと進む。

■ 団体総合決勝(競技W)
団体総合予選(競技T)を勝ち抜いた上位8チームが、1チーム最大6名の中から、各種目3名を選んで演技し、その3名すべての得点により順位を決める。なお、競技Tでの持ち点はない。

■ 個人総合(競技U)
団体総合予選での個人成績により上位者から男女各24名が出場し、もう一度男子6種目、女子4種目を行い、持ち点なしで改めて演技を実施し、その総合得点で順位を決定する。ただし、1カ国から参加できるのは2名までである。

■ 種目別決勝(競技V)
団体総合予選の各種目の得点を比較し、その上位8名が出場し、持ち点なしで改めて演技を実施し、その得点で順位を決定する。ただし、1カ国から参加できるのは2名までである。

審判編成と採点

A審判2名、B審判6名の合計8名が採点に携わる。なお、各種目には種目担当スーパーバイザーがおり、最終的な評価、決定点を管理する。A審判2名は演技構成上のチェックを行い、A得点(演技の内容的な難しさを評価した得点)を算出する。B審判はそれぞれB得点(演技構成や技術、姿勢に関する演技のできばえを評価した得点)を算出する。得点は、B審判6名のB得点のうち最高と最低の減点を除いた4名の減点平均にA得点を加算して導き出す。これらはすべてコンピュータで処理され、得点が表示されることになる。

以前、演技の最高点は10点満点だが、2006年から導入されたルールでは、加算方式になったため上限が撤廃された。B得点の最高は10点と上限が設けられているが、A得点は、行われた技の中から難しいものを10個選んで決まるので、机上において、男子であればF難度10個の難度点6.0、技のグループ点2.5、そして種目によって組合せ点が加算されるため9.0を超えたあたりが上限となる。しかし、現実的にA得点の最高は、2007年の世界選手権でみると男子ゆか(6.8)、あん馬(6.7)、つり輪(7.5)、跳馬(7.0)、平行棒(7.1)、鉄棒(7.0)、女子跳馬(6.5)、段違い平行棒(7.4)、平均台(7.3)、ゆか(6.5)であり、A得点はまだまだ向上する可能性を持っている。

ちなみに2007年の世界選手権の各種目の最高得点は男子ゆか(16.275)、あん馬(16.300)、つり輪(16.700)、跳馬(16.700)、平行棒(16.375)、鉄棒(16.250)、女子跳馬(16.000)、段違い平行棒(16.375)、平均台(16.325)、ゆか(15.425)となっており、種目間に最高得点のばらつきがみられる。

難度は男子がA、B、C、D、E、Fの6段階、女子がA、B、C、D、E、F、Gの7段階となっている。AはやさしくF(G)はもっとも難しい技につけられている。

競技の種目

男子:ゆか・あん馬・つり輪・跳馬・平行棒・鉄棒(6種目)
女子:跳馬・段違い平行棒・平均台・ゆか(4種目)

男子種目の特徴

【ゆか】
12m四方の「ゆか」の上で、70秒以内に、徒手体操的な運動・平均技・静止技・力技・跳躍技・跳ね起き技・倒立回転技・宙返り技を組み合わせて演技をしなければならない。時間の超過は減点される。

【あん馬】
演技は静止することなく、2つの把手(ポメル)やあん馬全体を使って振動や旋回技を中心に構成し、片足の運動・片足や両足の旋回・交差などを入れて行わなければならない。

【つり輪】
マットからの高さ260pの2つの輪を握ったまま、振動技・力技・静止技を組み合わせて演技を構成しなければならない。

【跳馬】
床面から135pの高さに設定された跳馬に手をついて跳び越す。技はその難しさによって価値点が定められている。

【平行棒】
振動や静止技、棒上と棒下で行う技を入れなければならない。明らかな静止技は3回を越えてはならない。

【鉄棒】
演技は静止することなく、すべて振動技で構成される。正・逆・背面の車輪やその方向転換、また両手を同時に離して再びバーを握る技を入れて、雄大にリズミカルに行わなければならない。

女子種目の特徴

【跳馬】
125pの高さに設定された跳馬に手をついて跳び越す。技はその難しさによって跳躍技の価値点が定められている。女子は跳躍技を示す番号を審判に示してから演技する。

【段違い平行棒】
演技は車輪・ひねり・空中局面を伴う技・支持回転などで構成され、高棒・低棒で、あるいは移動技が組み合わされ、停止することなく演技されなければならない。

【平均台】
高さ125p、長さ5m、幅10pの台の上で、90秒以内に、体操系の技(ターン・波動・跳躍・歩・走・バランスなど)やアクロバット系の技(宙返りなど)を構成しなければならない。時間の超過は減点される。

【ゆか】
12m四方の「ゆか」の上で、90秒以内に、アクロバット系の技(宙返りなど)、ジャンプの組み合わせやターンなどを、音楽伴奏に合わせて演技しなければならない。時間の超過は減点される。