第29回オリンピック競技大会(2008/北京)

カヌーの解説

日本代表選手団

カヌーには様々な楽しみ方があり、競技の種類も多岐にわたる。そのうち、オリンピック種目はフラットウォーターレーシング競技(略:FWR)とスラロームレーシング競技(略:SL)の2つである。フラットウォーターレーシング(FWR)は、湖や池などの静水面に設営された直線コースをひたすら速く漕ぐダイナミックな競技である。1人乗りから4人乗りまでの艇に乗り、一定の距離(500m・1000m)とレーン(水路)を決めて着順を競う。スラロームレーシング(SL)は、荒瀬や渦のある急流に設置されたゲート(2本の棒を吊るしてつくる旗門)を順番に漕ぎくぐり、タイムを競うラフな競技である。正確にゲートを通過するテクニックとスピードが要求される。

フラットウォーターレーシング(FWR)

(1)種目説明

FWRは、カヤック(Kayak)部門とカヌー(Canoe)部門※に分かれる。カヤック(K)部門は、漕者が艇の進行方向に向かって座り、両端にブレード(水かき)のついたパドル(櫂)を左右交互に漕ぎながら艇を前に進める。カヌー(C)部門では漕者が艇の進行方向に向かって立膝の姿勢をとり、片方にブレードのついたパドルで左右どちらか片方のみを漕ぎながら前に進む。

※ 競技名との混同を避けるため、日本国内ではカヌー部門をカナディアン部門と呼称するが、国際カヌー連盟(ICF)の正式名称は「カヌー部門(Canoe)」である。

(2)種目

・男子カヤック1人乗り(K1)1000m
・男子カヤック1人乗り(K1)500m
・男子カヤック2人乗り(K2)1000m
・男子カヤック2人乗り(K2)500m
・男子カヤック4人乗り(K4)1000m

・男子カナディアン(カヌー)1人乗り(C1)1000m
・男子カナディアン(カヌー)1人乗り(C1)500m
・男子カナディアン(カヌー)2人乗り(C2)1000m
・男子カナディアン(カヌー)2人乗り(C2)500m

・女子カヤック1人乗り(WK1)500m
・女子カヤック2人乗り(WK2)500m
・女子カヤック4人乗り(WK4)500m

(3)競技方法

コースは幅9メートルで第1レーンから第9レーンまであり、各艇はフライング防止のための自動発艇装置(スターティングブロック)に艇の先端を入れて横一線に並ぶ。「Start Within 10 Seconds」というスターターの発声に続き、スタートを示す電子音やピストルの音でスタートする。ゴールラインに艇の先端が早く着いたものから、1位、2位の順となる。国際カヌー連盟(ICF)の競技規則に示された勝ち上がり方式“Division System”による予選・準決勝が行われ、決勝へは9艇が進む。

(4)競技方法

漕者が「Start Within 10 Seconds」からスタートの合図までに前にパドルを動かした場合、「フォルススタート(False Start)」(フライング)を宣告され、同じ選手が2度フライングすると失格となる。競技中は9m幅のレーンの中央を漕がねばならず、レーンからはみ出すと失格となる。なお、レーンを示す浮標は12.5mおきに設置されており、ゴール前の100mは全て赤色で示される。レース中転覆した場合も失格になるが、艇やパドルが壊れてゴールできない場合も同じである。また、2人乗りや4人乗りの競技の場合、クルーのメンバー全員乗った状態でゴールしなければゴールと認められない。

スラロームレーシング(SL)

(1)種目説明

フラットウォーターレーシングと同じく、カヤック(Kayak)部門とカヌー(canoe)部門※に分かれる。カヤック(K)部門は、漕者が艇の進行方向に向かって長座の姿勢で座り、両端にブレード(水かき)のついたパドル(櫂)を左右交互に漕ぎながら艇を前に進める。カヌー(C)部門では、漕者が艇の進行方向に向かって正座のような姿勢をとり、片方にブレードのついたパドルで左右を漕ぎながら前に進む。

※ 競技名との混同を避けるため、日本国内ではカヌー部門をカナディアン部門と呼称するが、国際カヌー連盟(ICF)の正式名称は「カヌー部門(Canoe)」である。

(2)種目

・男子カヤック1人乗り(K1)
・男子カナディアン(カヌー)1人乗り(C1)
・男子カナディアン(カヌー)2人乗り(C2)
・女子カヤック1人乗り(WK1)

(3)競技方法

全長およそ300mのコースに設けられた18〜25個のゲート(旗門)をゲート番号順に通過しながらゴールまでのタイムを競う。ゲートの設定は大会ごとに任命されたコースデザイナーが毎回デザインするため、同じ競技会場であっても大会が異なればコースの難易度や特徴も変わってくる。設定されるゲートの中には、下流から上流に向かって通過する「アップストリームゲート」が必ず6〜7個含まれる。それ以外のゲートは上流から下流に向かって通過する「ダウンストリームゲート」である。ゲートを通過できなかった場合は1ゲートにつき50点、ゲートに接触した場合は同様に2点のペナルティポイントが課せられ、ゴールタイムにそれぞれ50秒、2秒が加算される。決められた方向以外に通過した場合も "不通過" とされる。

競技は、選手が一人ずつ1分おきにスタートするタイムトライアル方式である。予選では各選手2本ずつタイムトライアルを行い、その合計を競う。準決勝と決勝のタイムトライアルは1本ずつ。準決勝の上位10名が決勝へと進み、決勝と準決勝の2本の合計で最終順位が決まる。