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BEIJING 2008

北京現地報告


受け入れも歴史的作業

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北京オリンピックを前に市当局はマナー向上の一環として市民に整列を呼び掛ける。しかし、行列が長すぎて道路をふさいでしまうことも=2007年7月撮影

オリンピック期間中、北京を訪れる外国人は約50万人と推計されている。短期間にこれだけたくさんの外国人が訪れるのは歴史的にもそうはなかったことだ。もちろん、まず気になるのは、どのオリンピックでも問題となる宿泊施設の数。北京オリンピック組織委員会は、国際オリンピック委員会やスポンサーなど、関係者のために早々と市内の112ホテルと契約した。そのため、一時は一般客用のホテルが不足するとの懸念が指摘されたが、組織委員会は「市内にホテルは現在700軒あり、開催までに800軒、計13万室になる見通し。われわれが押さえたのはごく一部だ」と心配を打ち消してきた。

しかし、やはり北京でも宿泊費の高騰が起こっている。四つ星、五つ星のホテルは大部分が一泊4,000−5,000元(約60,000−75,000円)、最高では10,000元(約15万円)と、普段の10倍近くになっている。これらは、各国代表チームなどが団体で押さえた結果のようだ。北京市旅行局では、「有名な高級ホテル以外にもたくさん宿泊施設はある。値段は原則として需給関係で決まるが、高騰ぶりが目に余る場合は政府として何らかの手段をとることもありうる」としている。

シドニーオリンピックやアテネオリンピックでは、混乱を避け開催期間中は別の場所に“逃避”してバカンスを過ごすといった動きも出た。しかし、中国では事情は正反対。外国ばかりか、広大な中国の各地からも観戦客が押し寄せると予想されるだけに、観戦を予定している人は楽観しない方が良さそうだ。

一方、市民による外国人受け入れの準備も始まっている。オリンピック招致が成功してから、北京市民外国語委員会が「正しい英語で、温かく外国のお客さんを迎えよう」と呼び掛け、市内の各コミュニティーで教室を開いて英語を学習する動きが広がっている。習いにくるのは主婦やお年寄り。みんな表情は真剣だ。

日本の「和製英語」と同じように、中国でも「Chinglish(チングリッシュ)」と呼ばれる中国製英語がしばしば問題になる。市では、昨年から6,500カ所の誤った道路標識などの英語表記を正してきた。それでも、タクシー運転手らの英語研修はなかなか成果があがらないといった難点もある。正しい英語が必要な場所もあるが、市民と外国からの観戦客が交流を深める時には、文法を正す先生がいるわけではない。やはり最後は「中国を知りたい」と「中国を知って欲しい」というお互いの気持ちがあるかどうかの問題だ。

テスト大会が本格化

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北京オリンピックの競泳会場=2007年4月撮影

大会の数カ月前にまだ工事中の体育館でテスト大会が行われたアテネオリンピックとは対照的に、着々と施設建設が進む北京。昨年、すでに北京でソフトボール、青島でセーリングの両競技のテスト大会が本番会場で実施された。今夏からは各競技のテスト大会が本格化する。

北京オリンピック組織委員会では、来年の本番までに42、年内に26のテスト大会を予定。すべて合わせた参加選手数は10,000人以上、競技役員などは外国から1,100人、中国国内から1,500人になる見通し。「ハード面は問題ないが、ソフト面は大丈夫なの?」。皮肉な見方をする外国メディアなどの間でささやかれてきた疑問だが、大会準備もいよいよ一番肝心な運営面に重点が移っていく。

テスト大会に合わせて運営が試されるのは競技場の中のことだけに止まらない。北京市では、今年8月は来年とほぼ同じ規模となる100万台の車の使用制限を行う意向。市などでは、昨年北京でアフリカの48カ国の首脳らを招き開催された中国・アフリカ会議の際も大規模な通行制限を実施。「当時は衛星写真でも北京上空の大気がきれいになったことが確認された」と、渋滞問題ばかりでなく、深刻な大気汚染問題にも効果があると期待している。

そのほかにも、来年8月8日の開会式当時に雨を降らせないために使用される見通しの「人工降雨技術」を試験運用。世界的に注目されている「食の安全」に関しても、食材の生産地で電子チップをつけて、輸送、調理までのすべての段階で管理を徹底するシステムもテスト大会から運用することになっている。

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