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スペシャルインタビュー
福田総監督 アテネに向けて 福田総監督に聞く

直前に迫った第28回オリンピック競技大会。日本選手団総監督としてアテネを目指す福田富昭JOC選手強化本部長に、メダルの可能性、そして抱負、さらに将来に向けて日本が超えるべきハードルについて語っていただいた。

――アテネオリンピック開幕まで4カ月あまり。ここまでの出場権獲得状況について、どのような感想をお持ちですか。

福田 選手たちは、非常によく頑張ってくれていると思います。

――出場権を獲得している競技・種目に関して、本番での期待度は?

福田 水泳では、競泳・平泳ぎの北島康介選手と男女のメドレーリレーに期待しています。特に北島選手については、この冬の短水路大会でも記録を伸ばしています。本番でも、是非、世界新記録で金メダルを獲得してもらいたいものです。予選突破が間違いないであろうシンクロナイズドスイミングには、ロシアに勝てる演技の完成に徹底して取り組んでもらいたいと思います。水泳会場には屋根が架からないことが決まりました。飛込みも含め、風などのコンディションを十分に想定・研究しておく必要があるでしょう。

体操男子は、鹿島丈博、冨田洋之、塚原直也の3選手が軸となります。団体では力を合わせ、また個人では三者三様それぞれの特徴を生かし、金メダルを目指してもらいたいものです。
レスリングは、男子の軽量級と女子の全4階級で金メダルを獲る力があります。今後、より金メダルを確実なものにすべく、一層の強化を図ってもらいたいと考えています。
柔道は、代表選手を決める熾烈な国内選考が控えていますが、そこを勝ち抜き、本番では少なくとも男女3階級ずつ6個の金メダルを期待しています。

自転車は、トラック種目男子に競輪選手が出場することになれば、プロの力を如何なく発揮してくれるはずです。

アーチェリー、射撃、セーリングには金メダルの、卓球、ボート、馬術・障害飛越にはメダルの可能性が十分にあります。ウエイトリフティングは記録的にみて苦しいですが、最後まで諦めずにメダルを目指して頑張ってもらいたいものです。

陸上競技もかなり楽しみです。男子ハンマー投げ・室伏広治選手には、日本記録を更新する85m以上の投擲で金メダルを狙って欲しいです。男子短距離・末続慎吾選手には、オフのトレーニングの成果を発揮し、アジア人初の短距離メダリストになってもらいたいです。また、女子マラソンの3人は、全員に金メダルのチャンスがあります。ラドクリフ(イギリス)という驚異的な記録を持ったライバルがいますが、オリンピックはタイムではなく順位を競う大会です。勝負所の駆け引きを制し、3人がかりで日本に金メダルをもたらして欲しいと思います。

――チームゲームについてはいかがですか?

福田 ソフトボールは、金メダルを目指し、アメリカを倒さなければなりません。最近の国際大会では、1点差負けが続いています。しかも0−1というスコアが多い。これは、アメリカの投手を打ち崩せていないからだと思います。何とかして、この壁を破ってもらいたいものです。

野球は、プロを中心としたドリームチームに国民全体の期待が集まっています。アメリカは出場しないので最大のライバルはキューバ。是非、勝って金メダルを獲得し、日本国中に夢を見させてもらいたいと思っています。

また、女子バスケットボールも、若手の勢いとベテランの経験がかみ合えば、上位進出の可能性が大いにあります。

――今後も、出場権はさらに増えそうですね。

福田 トライアスロンは、ウエイトリフティングでオリンピック2大会金メダルを獲得した三宅義信さんが強化対策本部長として陣頭指揮をとっておられます。バドミントンは、昨年の世界選手権で日本勢としては23年ぶりに女子ダブルスがメダルを獲得しました。

バレーボール男女、サッカー女子、フェンシングも力はあります。予選を突破し、強化の成果と勢いを本番に結びつけて欲しいものです。また、メダルの可能性が大いにあるテニスの杉山愛選手には、是非、出場してもらいたいですね。ボクシング、カヌー、近代五種は苦戦が予想されますが、自信を持って予選に臨んでもらいたいと思います。

――本番での活躍が、今から楽しみです。

福田 過去のオリンピック夏季大会において、日本の参加選手数は298名が最多でした。今回は、現在までで、既に16競技70種目133人(3月18日現在)の出場枠を獲得しています。このまま順調に行けば最終的に300人を超すことも予想されます。役員を加えると500人規模の巨大な選手団になるでしょう。にもかかわらず成績が悪いとなると、総監督としては丸坊主に成らざるを得ません。それくらいの強い覚悟で、アテネに乗り込むつもりです。

――本番で結果を出すためには何が必要ですか。

福田 一昨年、昨年の世界選手権や予選会で得た「世界でも戦える」「勝てる」という自信を失わず、トレーニングによってその自信をさらに深めて臨んでもらいたいと思います。
その上で、チームゲームの各競技団体には、オリンピックを最優先して頂くことをお願したいのです。日本リーグなど動かし難い日程があるかと思いますが、各所属先に分かれている代表選手をできるだけ早く招集し、チーム作りに取り掛かってもらいたいと思います。その中でコンビネーションやコミュニケーションを高め、団結力を強固なものにして臨めば、本番でも持てる力を十二分に発揮することができると信じています。

※インタビュー後、レスリング男子グレコローマンスタイルの3階級サッカー男子、ホッケー女子が出場権を獲得しました。また、テニスの杉山愛選手が出場の意向を表明しました。


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